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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!

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扉を開けるとそこには…

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マッチョたちが待っていた…!

「草食系」がスタンダードになってしまった日本でなんと近頃「マッチョ」が注目されつつある。
「マッチョバスツアー」「マッチョカフェ」など様々なマッチョイベントが開催され、マッチョにお姫様抱っこをされる女子が後を絶たない。

この度わたしは友人から「ムキムキnight」に誘われ、
例の扉を開けたのである。
名前から怪しいこのイベントは、「お姫様抱っこされ放題!ビキニパンツのマッチョ男子に全力で歓迎される」というものだ。

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受付を済ませるとチップ代わりのおもちゃの紙幣を渡されるので、
「いいな」と思ったマッチョのビキニにチップを挟み込むというセレブな遊びに興じることができる。

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なんてクレイジーなイベントなんだろう。

「なんだこの狂ったフロアは…」という気持ちを隠せないまま不安な気持ちで座っていると、
ひとりの陽気なマッチョが「ニベア、塗ってもらえますか!」と近づいてきた。

どうやらマッチョの筋肉にニベアをぬりぬりできるらしい。
(本当はオイルがよかったが、ベタベタしてしまうのでニベアとのこと。肌がツルツルになるね)

マッチョに…
この筋肉に…!!
ニベアを塗りこめる…!!!

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楽しい!!!!
もうここまで極まれば「わたしは別にマッチョ好きでもないし…」「なんだこのイベントは…」といった雑念は吹き飛びます。

マッチョにニベアをぬりぬりすれば全てが平和に収まる。

マッチョの中には健康的な褐色系マッチョや、

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謎のマイケルジャクソンマッチョが…。

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多種多様なマッチョと触れ合える…それが「ムキムキNight」なのだ!

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今回このイベントを主催した奥井さんに話を聞いてみた。
「なんでこのイベントを開催したかというと、オシャレなマッチョが増えてほしいから(笑)日本には、ゴリゴリのマッチョかひ弱な男子しかいなくて、オシャレなマッチョっていうのがいないんですよね。いないなら、増やすしかない!という気持ちです」
どうやらこのイベントは自らの信念によるものらしい。
「でも今回はじめてイベントをやったので、反省点がいろいろあります。ビキニパンツはあんまりオシャレじゃなかったかな。オシャレなマッチョを増やすためには、これじゃダメですね。もっといろいろ変えていかないと…!」
自分が好きなものだからこそ、妥協が許されない。それはオシャレなマッチョに対する信念だ。
以前「マッチョバスツアー」の主催の方にもお話を伺ったが、その時もそうだった。
各地に点在するマッチョイベントは「このひ弱な男子が持て囃される日本はどうなんだ?もっとマッチョを増やしたい!!」というマッチョを増やすべく発される熱い叫びなのだ。

マッチョの何がいいのかマッチョ好きに聞いてみると、
「軽く抱き上げてもらいたい」「それが男の真の魅力だと思う。男臭さがいい」「頼りがいがある」「日々鍛錬をしているからその体があるわけで、ただ生きているだけの草食系と訳が違う」と
マッチョである肉体はさることながら精神面も重要であることが分かった。
ただ筋肉があればいいのではない。
ストイックに自分に向き合い、その肉体を維持する強靭な精神力がある者こそ“マッチョ”なのだ…!

確かに筋肉を纏っている彼らはビキニパンツしか履いていなくても体はぽかぽかあったかかったし、ガッチリした肉体で抱えあげられるとまるでわたしの人生までも軽々持ち上げてしまえるんじゃないか…とうっかり夢見てしまう。
その安心感を与えられるのは選ばれしマッチョだけ。
経済的にも社会的にも不安が多い世の中だからこそ今、「マッチョの安心感」が求められるのかもしれない。

賑わい始めた日本のマッチョ市場。
どんどん男子の立場が弱くなっていくここ日本で、果たしてオシャレなマッチョは増えるのか?
日本は大きな岐路に立ちつつある。

米原千賀子

ライター兼イラストレーター。へっぽこな見た目とは裏腹にシビれる鋭いツッコミで世の中を分析する。人呼んでうさこ。常に今日の夜ごはんのことを考えている食いしん坊健康オタクな一面も。webマガジンNeoLなどで連載中。