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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!

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わたしの父方のおじいちゃんおばあちゃんの家は熊本県熊本市の下に位置する
熊本県宇土市にある。

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一面に田んぼが広がるのどかな場所。
遠くに見える山々が、広い空が、目に飛び込む緑が、
都会っ子のわたしから見れば宝物のように見える。

 

「熊本地震」の始まりである4月14日から約半年。
報道がなされなくなった今、熊本はどうなっているのか?
電話でずっと話には聞いていたものの、
ようやく見に行くことができた。

 

到着地「阿蘇くまもと空港」はレストラン街やラウンジなどが閉鎖され、
縮小営業されている。

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必要な受付は臨時デスクで対応。手作り感が光る。

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空港からは空港リムジンバスに乗り込み「熊本交通センター」で下車(50分/730円)。
熊本一番の繁華街、上通・下通に。

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被害を受けている店や家屋も少なくないが、
商店街は人も多く活気にあふれてにぎやか。
被害が大きく営業できなくなってしまった地元の本屋さん『金龍堂まるぶん店』では、
営業ができなくなった旨の貼り紙のそばにたくさんの応援の声が寄せられていた。

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「早く再会できるように」「早く本かいたいよ~!」「がんばって!」
熊本に行くたびに寄っていたくらいのわたしが、
思わずうるっとしてしまう言葉の数々。
人の心を癒すのは他の誰かのあたたかい声なのだ。

 

日本三大名城のひとつの『熊本城』。

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聞いていた通りあちこちが崩れてしまっていた。
しかし西南戦争時焼き尽くされた熊本城の中で、400年唯一当時のまま現存する「宇土櫓(うとやぐら)」は無事。
手が付けられないため若干屋根に植物が茂るものの、
西南戦争でも熊本地震でも倒れない不屈の魂を見せてくれた。

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それにしてもこの中から溢れるように広がる小石を見ると、接着剤も使われず石を積み上げてできた石垣が400年持ったことが奇跡的に思えてくる。
今だからこそ実感できる技術力もあるということを知った。
熊本市による9月14日の発表では、元に戻すために634億円がかかると言われている。
年内にも開始される「復興城主」制度で寄付を募り、復旧を目指すそうだ。
平成の城主となって歴史を繋ぐお手伝い…ちょっと粋なお金の使い道かもしれない。

 

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ある日、わたしたちは車で15分ほど行ったところにある
益城町へ向かった。
最大震度を記録した、熊本地震の中で一番被害が大きい益城。

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歪んだ柱。一階がない家屋。崩れた瓦屋根。
平衡感覚が分からなくなるようだった。

 

しかし町は絶えずカンカン鳴り響く。
あちこちで復興のための作業がなされているのだ。
まだまだ避難所や仮設住宅から出られない人もいるが、一刻も早く我が家へ帰れるように。
町のあらゆるところに貼り紙が貼られる。

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「共にがんばろう」

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「全国から支援・応援感謝します」「安全運転気を付けて」「陽はまた昇る」

 

ここにいることで、何が助けになるだろう?と考えたときに
観光してその町を楽しむことだ!と思ったわたしたちは
益城から車で10分ほどの『天然温泉 ぶぶたん』へ。
ぶぶたんは震災後、被災者に無料で温泉を提供し憩いの場になっていたこともあるそうだ。

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健食レストラン『ひだまり牧場』のバイキングで益城産のごはんやおいしい料理を食べ尽くした。

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(0円の食券を渡したら運ばれてくるシステムの出来たて石焼ビビンパや伝説の牛丼)
最高に気持ちいい温泉もエンジョイ。
わたしたちの「楽しい」が、少しでも何かになればいいと思う。

 

熊本の宝である阿蘇は、通行止めの道路が多く
「行こうと思ったけど、元の道に戻されちゃって辿り着けんかった(おばあちゃん談)」。
もちろんそんな神隠しのようなことはあるわけなく、
きちんと調べて道を選べば行けるようだ。

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(2015年夏 『あそ望の郷』より)

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(2008年 『阿蘇山』より)

雄大な阿蘇山に圧倒される…。

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さらにこの大自然が育て上げた抜群の馬刺し…!
高たんぱく低カロリーでアミノ酸も豊富な女子の味方のこのお肉。あっさりした赤身もとろけるまろやかな脂ももれなく口の中を幸福にしてくれる。
あか牛と呼ばれるブランドのお肉も人気だ。
酪農が盛んなので、牛乳と乳製品(ヨーグルト、チーズ、ソフトクリームなど)も作られる。
他にも脂の乗った歯ごたえ楽しい鯛やヒラメなど獲れたての海鮮に、にんにくの香ばしいかおり漂うマイルドな熊本ラーメン、
温暖な気候で甘みがグッと増したスイカやメロン、柑橘類といったフルーツ…。
うまいものの嵐。熊本にいるとついつい食べ過ぎてしまうのが玉にキズだ。

 

まだ震災は終わってない。
うさこ家のお墓も崩壊しつくして、どうやって復活させるか一族で頭を悩ませている。

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けど、前を向いている。
それに寄り添うためには忘れないこと。できることをすること。

 

これからも熊本を応援していきたいと思う。

 

『天然温泉 ぶぶたん』
〒861-8041 熊本県熊本市東区戸島2丁目2-1
入浴料:大人400円
http://www.ootsuka-group.co.jp/original7.html

ぶぶたん内『癒しと健幸 ひだまり牧場 戸島店』
ランチタイム:大人1,280円/ディナータイム1,580円(共に通常コース)

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