日本庭園…それは見ているだけで人の心を穏やかにするもの。
樹木や小石、花などの自然からなる計算されつくした世界は
「禅」という精神と共に日本人のみならぬ世界の人々を魅了する。
そんな箱庭を…自らの手で作れるカフェがあるらしい!?
わたしは調査のため腹ペコで乗り込んだ。

 

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人間は、広い世界のほんの一部で生きている。
全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ…!

 

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「正月」と言われるシーズンは終わったけれど、
なんだか1月って静かに過ごしたい。

 

あっという間に世間は日常を取り戻してしまったけど
にぎわう初詣じゃなくても
正月が明けてしばらく経って人の少なくなった神社仏閣に寄って
「新年が明けてしばらく経ってしまった」という事実に愕然としながら今年の平穏を祈るみたいな
新年らしい出来事をまだまだ大事にしていたい。

 

あっという間に訪れてしまった「日常」に抗いたい人のために
今回はとびきりの心の静けさが見つかる場所をご紹介したい。

 

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場所は大阪、中之島『Mamezo&Cafe』。

 

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風情あるオシャレなカフェだがそれだけじゃない。
静けさの秘密はこの店の看板メニューにあった。

 

それは

 

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「箱庭スイーツ」…!

 

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用意されたこのセットが箱庭の材料。
なんと食べられるお菓子で「枯山水」が作れるのである。

 

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いつも遠巻きに眺めるだけのそれを、まさか作れる日が来るなんて…!?

 

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砂を表現するグラニュー糖。

 

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チョコの石。苔蒸したような青海苔に包まれたあんこ。ぷるぷるのわらびもち。
松や傘などの小道具(残念ながら食べられない)。
どんな枯山水にしよう…。
当然だが人生で日本庭園なんて作ったことがない。

 

ちなみに「日本庭園」とは一般的な日本伝統の庭園のことを指し、
「枯山水」は「日本庭園」の中でも石や砂で水の流れが表現される庭園を指す。
余分なものをそぎ落とし真の姿を求める禅の教えからなる「枯山水」。
そうまさしくジャパニーズZENの真骨頂!!
「水を無くして水を感じる」ことが枯山水であるとするのなら、
このスイーツ箱庭もフィールドは全く同じだ…!

 

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わたしはまずお皿にグラニュー糖を敷き詰め、
和製フォークのようなものを使って水を表現していった。

 

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枯山水ってセンスないとこんなにキモくなるんだなぁ…!
よもやこんな目玉の妖怪みたいなものが出来上がるとは誰が想像しただろう。
「美しい日本庭園」の凄さを改めて痛感する。
わたしはあまりの出来に頭を悩ませたが、煮詰まってもすぐそばに甘いものがたくさんあるため
何度も小休止して糖分で癒された。煩悩しかない。

 

モグモグ頬張りながらも作り続け、新たな作品が完成する。

 

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テーマは前回に引き続き「日の出」!
小石で海岸を表現。
海から昇る太陽…そんな新春らしい景色だ。

 

先ほどのセンスなし枯山水を生み出した頃に比べて
飛躍的に日本庭園化している(当社比)。

 

さらなる元気さを演出するために、
もっと道具をふんだんに使ってカラフルに色づけていくことに。

 

ガチガチだった「日の出」というテーマから一度離れ、
どんな色やスタイルにしていこうかを考えると
もっとワクワクした。

 

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「日の出」から進化して
テーマは「幸せすぎる2017年」。

 

人間たちが棲む世界を表すチョコレートの浜辺から
八つ橋の架け橋を渡って辿り着くのは恋人たちも寄り添う幸せの国…。

 

この箱庭、完成がゴールではない。
食べておいしい思いをするまでが箱庭スイーツ!!
むしろ食べてこそのスイーツ、今からが本題。
ウキウキしながら楊枝を持ったが、設定付けすぎるととても食べづらいことに気付く。
自らが作った幸せの国を自分の手で破壊しなければならないなんて…!
ここは心を鬼にして、スイーツ好きの名に懸けて容赦なく恋人たちをも貪り食った。

 

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甘いものだらけの箱庭を食べていると、しょっぱいものも欲しくなるのが人のサガ…。
そんな欲張りさんを満たすのはおいしいお料理。
わたしは一番人気のビーフシチュー定食をつまんだ。

 

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さっきまでストイックな箱庭づくりも忘れ
欲深い甘いとしょっぱいの無限ループに陥っていった。人の業は深い。
最後には抹茶最中アイスもいただけて、大満腹である。

 

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店員さんに話を聞いてみるとこの珍しい「箱庭スイーツ」は、
社長の枯山水好きから「スイーツで楽しみながら箱庭に親しむことができれば」という想いから
2016年3月にスタートしたらしい。

 

箱庭はもとより四季折々で姿を変えるもの…
1年の要所で箱庭を仕切っていくのも面白いかもしれないし
何人かで行って品評会を開いてもきっと楽しいだろう。

 

日本の禅文化の最たるところにある高尚な「箱庭」が
ぐっと近づく時間がスイーツの中にあった!

 

『Mamezo&Cafe 中之島店』
大阪府大阪市福島区福島1-1-48
Tel:06-6453-6877
箱庭スイーツ(抹茶最中アイス付き)1,540円
ビーフシチュー定食 1,300円

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