太陽の光を受けて、燃えるような赤に染まる「砂漠」。

日の入りと共に起きて、暗くなったら眠る生き物らしい生活がそこにはある。

まるでどこか別世界のようなリアルな地球に挑んだ。

 

image

image

 

間は、広い世界のほんの一部で生きている。

全てを知ることはできない。
世界のどこかには、自分の知らない何かを熱狂的に愛してる人がいる。研究する人がいる。
そんな人が集まると、小さなブームになる。
誰かの世界を、少しだけ覗いてみちゃおう。
それが「うさこの覗いた世界」なのだ……!

 

今や日常生活に欠かせなくなったスマホやパソコンなどの電子機器。

しかしそれからあふれる情報や、逃げられない人間関係に疲れてしまう人も少なくないだろう。

毎日パソコンと向き合うわたしも時にはデジタル呪縛から離れるべく、モロッコにて前回特集したAirbnbを用いて砂漠体験に申し込んだ。

「Trips to erg chebbi desert from fes」225€(約31,000円)

 

宿に迎えに来てくれた運転手の車に乗り込み、大都市フェズから砂漠のある町メルズーガまでドライブの旅。

わたしは英語があまり読めないので軽い気持ちで考えていたが、道中はモロッコの大自然を目の当たりにすることになった。

岩山、雪原、平原、湖、森……車窓から見えるあらゆる表情のモロッコには動物たちと共存する世界がある。

 

image

日本とは全く違う景色に、飽きない。と言いたいところだが、三半規管が弱いわたしはガタガタ道に酔って寝ざるをえなくなることもしばしばあった。

 

「ここだ。降りてくれ」

運転手にそう言われて降りたところは、なんと砂漠ではなく雪山だった。

「イフラン」と呼ばれる地域は、モロッコにおける北海道らしく、冬になると雪が積もることで親しまれている場所だ。

まずモロッコ(北アフリカ)で雪が降ること自体驚きだったし、砂漠への道中に正反対のイメージがある雪山を越えることも驚きだった。

 

image

唐突に馬に乗せられ、30分ほどの乗馬を楽しむ(追加料金50ディルハム:約650円)

 

image

そこらかしこに野生の猿もいて、エサやり体験なんかもできた。

ものすごい充実感のイベント量だが、これは本番ではなくレクリエーションに過ぎない。

再び車へ乗り込んだ。

 

朝9時にフェズを出発し、着いたのは16時。

そう。7時間かかっている。東京から大阪まで行けちゃう。

移動の果て、着いた先は

 

image 

砂の町だった。

 

image

用意してくれたラクダの背中をお借りして、夕日陰りゆく砂漠を横断する。

 

image

最初は「ラクダもレクリエーションのひとつだろう」と考えていたが、違う。

砂に足を取られるこの地では、重要な移動手段なのだ。

だからわたしたちは1時間もラクダで砂漠を往く。

 

image

一面砂で、遠くを見たってなにもない。砂だ。

 

image

引率してくれている先住民族ベルベル人に置いていかれたら帰れるかもわからないほど広大で、見渡す限り砂と空。

これが地球か……。

 

1時間ラクダに歩き続けてもらい、ベルベル人の遊牧テントに到着した。

 

image

今日はツアー客のわたしたち5人でここに泊まる。

 

image

布で作られた簡素なテント。これは観光客用だが、本当にテントで砂漠に暮らす民もいる。

知らない世界……。これもひとつの現実だ。

ウェルカムクッキーやモロッコでお馴染みのミントティのおもてなしを受けていると、すっかり夜が更けていく。

 

image

彼らは穴を掘って、ロウソクを置き、火を灯した。

スマホやパソコンどころか、たったひとつの電気すらない。

わたしが生まれた頃から既に世界は電気に支配されていた。

しかしここでは、電気や水道ガスといった当たり前のライフラインがない。

暗さに動揺した目も徐々に慣れて、少しずつ辺りが見えるようになった。

人間は思ったよりも順応できるらしい。

食堂とされたテントの中でごはんを食べる。

 

image

布のセンスがいちいち良い。

料理はタジン鍋やスープ、パンにフルーツとどう作ったのか不思議なくらいのごちそうだった。

食べ終わると外で焚火をして、ベルベル人の奏でるアフリカンミュージックを聞く。

 

image

家にいたらスマホもパソコンも手放せないけど、ここでは触ろうとすら思わない。

暗くなったら眠くなることが当たり前に思える。

演奏会が終わったら、各々星を眺め、眠くなったら「おやすみ」と言ってテントへと消えていった。

 

トイレに行きたくなって「トイレはどこ?」と尋ねたら、ベルベル人は笑いながら答える。

「Everywhere(どこでも)」。

そう。ここにはウォシュレットやビザどころか、便器すらない。

解放感とは、満点の星空の下でトイレすることを指すのかもしれない。とわたしは思った。

 

翌日、わたしたちはまた1時間ラクダへ乗って町へと帰る。

メルズーガでこの体験ツアーを開いている日本語上手なベルベル人ハッサンと挨拶をした。

 

image

モロッコに魅入られて移住してしまった日本人スタッフまでいて、意外にもモロッコは身近なのかもしれない。

 

疲れた時は今ある環境を抜け出す、という有効な手がある。

砂漠に行けば全てが小さく見えた。地球のどこだって人間は生きていける。

何かがあったら、砂漠にも駆け込めるってことを覚えておきたい。

 

 

『Airbnb』
https://www.airbnb.jp/