サワッディ・カァ。
金曜日(10月28日)からバンコク・スクンビット周辺でも浸水が始まりました。
スクンビットといえば、駐在員(や、その家族)が住む日本人居住地域です。

ほぼ都心なので注意が必要といえば必要で、かといって、津波や鉄砲水とは違い
時間の猶予があるので、たぶん、帰国も近場に移動していない方々も
飲料水や食品の備蓄はしているでしょうから、なんといえばいいのか、ワタクシメもわかりませぬ…。

今回の洪水で心配なのは水が引いたあとの衛生状態です。
東日本大震災で津波は街のありとあらゆるところに【へどろ】等を残していきました。
これ、真っ黒い物体です。

ワタクシメ、取材等で岩手や宮城の被災地へ何度か足を運んだのですが(ちなみにワタクシメ被災地出身でつ)、
街の中にはこの真っ黒い物体が残っており、住民はそれをスコップで掻き出していました。
これがまたクサイ。言うなればドブのようなニオイ
なので、みなさんマスクをしていました。

震災は3月の、しかも今年の3月は異様に寒かったので(寒さで亡くなった方もいました)、
ハエなどはもちろん飛ばなかったわけですが、
タイはご存じのとおり【常夏の国】で一年中暑いわけです。

洪水の水が引いたあとに何かが繁殖しやすい条件がかなりそろっていると思います。
衛生状態が悪くなると思うので住んでいる方はそのあたりに注意を払わないといけないと思います。

洪水と津波はまったくの別物ですが、
津波が来た街で今年の夏に幅を利かせていたのは【ハエ】と【蚊】でした。
特に【ハエ】に関しては洗濯物を外に干せないという状況にもなりました。

そんなことを考慮してか大使館から【感染症】についての注意喚起が出ました。


【大使館からのお知らせ】

緊急一斉メール

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洪水発生時に起こりうる感染症についての注意喚起
(2011年10月28日現在)

氾濫した水域の水質は、ガソリン等の油、生活排水、さらには糞尿等により汚染されている可能性が
あり、感染症等を発するおそれがあります。現在のところ洪水による特定の感染症の流行の報告はあり
ませんが、念のため以下の感染症に注意するとともに、やむを得ない場合を除き、氾濫した浸水域への
立ち入り・接近は避けるようにしてください。

1.汚水の経口感染によるもの
(1)起こりうる感染症:コレラ、A型肝炎、腸チフス等
(2)予防策:手洗いを励行し、飲食物の摂取には十分注意してください。飲料にはできる限りボトル水
等を利用してください。

2.汚水の皮膚の傷口や粘膜等からの感染によるもの
(1)起こりうる感染症:レプトスピラ症(※下記参照)、結膜炎、破傷風等
(2)予防策:不必要に水の中に入ることなく、皮膚等が汚水に触れた場合は清潔な水で十分に洗い流
してください。破傷風は釘などを踏んだ際の刺し傷で感染の危険があるので、ワクチンを接種しておくことを
すすめます。

3.蚊の発生増加によるもの
(1)起こりうる感染症:デング熱、マラリア等
(2)予防策:特に洪水の水がひいた後には大量発生が予想されますので、蚊の対策が必要です。

4.その他
(1)起こりうる感染症:インフルエンザ等
(2)予防策:長期化して疲労が蓄積すると免疫力の低下により様々な感染症にかかりやすくなります。栄
養と休養を十分に取るよう心がけてください。

(※)レプトスピラ症:病原体はドブネズミなどの動物の尿中に存在し、汚水に触れることで皮膚の傷口等か
ら感染します。潜伏期間は5~14日間で、症状は、発熱、頭痛等の風邪症状に似た軽症型から、黄疸、
出血等多彩な症状を示す重症型まであります。治療には一部の抗生物質が有効なので、正しく診断され
る必要があります。なお、タイ全体では例年数千人の患者発生数があります。詳細は以下の国立感染症
研究所(日本語)のウェブサイトを参照してください。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_012/k03_012.html

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バンコク都における降雨・洪水被害に関する注意喚起
(2011年10月28日現在)

28日午前、チャオプラヤー川の増水と潮位の影響で、プラカノン区にあるプラカノン運河の一部が損壊したことにより、
同区の一部(スクムビット・ソイ50周辺)において冠水被害が発生しました。プラカノン運河の損壊は、その後、修復
されましたが、29日、30日とタイ湾の潮位は引き続き高い傾向にあります。チャオプラヤー川その他の河川・運河など
の増水に警戒してください。

(参考1)タイ湾の満潮時刻(予報)
29日(土) 07:30頃~10:00頃  
17:30頃~20:00頃
30日(日) 08:00頃~10:30頃
18:00頃~20:30頃

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<バンコクを中心とした洪水の現状とタイ全土の旅行情報について>
10月28日付 ※TATサイトより抜粋※

10月26日より大量の水がバンコクに流れ込んできています。
その水は、バンコク北部および西部に到達しています。
特に、北部のドンムアン地区、サーイマイ地区、西部のバーンプラット地区、ターウィーワッタナ地区では、
影響が拡大しています。

朝夕の満潮の時間帯には、チャオプラヤー川の水位も上昇し、王宮や中華街(ヤワラート)を含む
チャオプラヤー川岸で冠水が確認されています。
バンコク都庁は即ポンプで川へ水を戻す作業を行っているので、
短時間に限られた冠水となっています。普段と変わらない通行がされています。

その他の地域については、アユタヤを除き、通常通り観光いただけます。
スワンナプーム国際空港は洪水対策も強化されており、国際線および国内線とも通常通り運航されています。

 

<タイ旅行関連情報>
● バンコクへ旅行を予定されている皆様は、今月いっぱい洪水の影響が懸念されるため、
10月中の渡航の延期をご検討ください。
1. バンコクおよびその周辺県以外の地域は、洪水の影響はなく、通常通り観光いただけます。
2. バンコクへご旅行中の皆様は、チャオプラヤー川岸の観光スポットへの訪問はできるだけ避けてください。
3. 洪水の影響を受けていない地域へのご旅行には、空路をご利用ください。

影響を受けていない地域:
北部: チェンマイ、チェンライ、ランパーン、スコータイ
・東北部: ルーイ、ウボンラチャター二―、ウドンターニー、ナコーンラーチャシーマ(コラート)
・中部: ホアヒン、プラチュアップキリカーン、カンチャナブリー、パタヤ、チョンブリ、ラヨーン、チャーン島
・南部: チュンポーン、サムイ、クラビ、パンガー、プーケット、スラーターニー、ナコンシータマラート、
ソンクラー、サトゥーン

<バンコク関連情報>
1.避難勧告エリア
・バンコク都: ドンムアン地区、サーイマイ地区、バーンプラット地区、タウィーワッタナー地区
※同地区は、バンコク北部および西部に位置し、スワンナプーム国際空港とは正反対の位置にあります。
※同地区の南にあるチャトゥチャックウィークエンドマーケットは今週末臨時休業となります。
2.道路・交通
・ドンムアン空港は洪水の影響で閉鎖。
・同空港を拠点とする国内航空会社ノック・エアーは10月28日より15路線
(チェンマイ、ピサヌローク、ウドーンターニー、ウボンラーチャターニー、
スラーターニー、ナコーンシータマラート、トラン、プーケット、ハジャイ、
サコンナコーン、ナーン、プレー、ロイエット、メーソッド、ルーイ)を
スワンナプーム国際空港に移し運航再開
・オリエントタイ航空はスワンナプーム国際空港へ拠点を移動して運航。
・バンコク都内のMRT(地下鉄)、BTS、エアポートレイルリンク、バスは通常通り運行。
・ラーマ9世通り、高速を含むスワンナプーム国際空港への道路は、現在洪水の影響はなく、通常通り通行可能。
3.ライフライン
・バンコク都内における給水の水質基準に問題はなし。
・電力供給は通常通り。
・インターネット、電話回線など通信サービスは通常通り利用可能。

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タイとひとくちに言っても日本の国土の1.4倍、77県あります。
これから乾季を迎え旅行シーズンになるので、
洪水の影響が出ていない地域への旅行は前向きに検討してよいかと思います。

 

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