わが家は電力を完全自給していますが、食糧もできるかぎり自給です。
約10畳分のお庭を菜園にして、お野菜を育てて食卓にのせていただいています。
もともと家庭菜園をして暮らすのが夢だったので、毎日幸せな日々です。
わたしにとって、菜園は小さな地球です。
そこに住まう生きとし生けるものたちが、ずっと平和に健康に暮らせるように、できるかぎり自然の力に任せるようにしています。
(詳しくは、第15灯をお読みください。)
例えば、次のことを徹底しています。
耕して大地を傷つけない
畝をつくらない
雑草を抜かない
農薬をまかない
肥料をまかない
水をまかない
種まき、間引き、収穫、種採り以外は、極力手を加えません。
余計な口出しや手出しはせず、相手が相手らしくいられるように〝放任〟してあげることは、ひとつの愛のカタチだと捉えています。
逆によくやることは、お野菜や雑草や虫たちに挨拶をしたり話しかけたりすること。
変人と思われそうですが(笑)、同じ地球に住まう仲間ですので、このような有機的なやりとりはとても大切なことだと思っています。
雑草や虫を駆除しないで、肥料も与えないで、本当にお野菜は育つの?と思われる方がいらっしゃると思いますが、胸を張って自信を持って言い切れます。
「はい!全く問題ありません!むしろ良く育ちます!」と。
ボーボーに茂った雑草のあいだからサトイモもカブもこんなに立派に成長しています♪
雑草が根を張ることで土の中に酸素を送りこみ、土を柔らかくし、お野菜にとって心地よい環境をつくってくれます。また、pHバランスを保つこともしてくれます。
雑草が豊かになると土壌菌の世界が繁栄していき、良質な土になっていきます。すると、肥料に頼らずともしっかりお野菜は育ちます。つまり、雑草育成=土壌育成なのです!
そんなわが家の雑草はスゴイぞ!と感嘆したエピソードがこちら。
わが家から10メートルほど離れた畑でお野菜を育てているお爺さんは、いつも念入りに雑草を抜いたり、除草剤をまいたりしています。よって土がこんな風にむきだしです。
このお爺さん、しょっちゅうトラブルに見舞われます。
「種を蒔いても鳥に食われちまう!」と怒り、「虫に食われちまった!」と怒り、「台風で倒れちまった!」と怒り、「日照りのせいで枯れちまった!」と怒り、「霜で野菜が腐っちまった!」怒り狂う。
老後の楽しい農作業のはずが、怒りで血圧を上げ、脈拍数を上げ、なんだか不健康になっていくように見えます…。
こんなトラブルは、わが家では起こりません。
雑草の間に種を埋めるので、鳥に見つかりにくいのです。
雑草が虫の住みかとなっているので、お野菜が食べられにくいのです。
雑草と野菜がお互いにカラダを支え合っているので、台風がきても倒れないのです。
雑草が土を覆っているので、水分が蒸発しにくくいつも潤っているのです。
雑草が野菜を囲っているので、冷たい風や霜から守っているのです。
雑草がお野菜の成長を邪魔するというのは、わたしの経験上ウソのように感じます。
お野菜は雑草を必要としていて、雑草は全力で彼らを助けていて、まさしく〝共生〟という言葉が
ピッタリ。
ダンゴ虫、ナメクジ……働き者の虫たちがわたしに代わって畑のお手入れをしてくれている
そして、雑草と同じくらい素晴らしい存在が、虫たち!わたしはこの一年間虫たちを観察してきて、心から尊敬し信頼するようになりました。
初めて虫たちが働き者であることを知ったのは、ダンゴ虫の役割を発見したとき。
わが家の東側は山となっているので、落ち葉がたくさん積もります。そこに集うのがダンゴ虫。集団でせっせと落ち葉を食べて分解していきます。
また、一生を終えたお野菜が土に還ろうとすると、こぞってダンゴ虫がやってきて、食べて分解していきます。
ダンゴ虫は土に還るべきものを助けてあげる親切な介助者なんだ!と生まれて初めて知ったのでした。
また、ナメクジの役割にきづいたときも、虫への信頼を強固なものにしてくれました。それは、育ちが悪く黄色く変色した野菜をナメクジが食べていることを発見したときでした。
弱って病気になりかけているお野菜が、隣の健康なお野菜に病気をうつしたり悪い影響を与えたりしてしまう前に、ナメクジが食べて処理をしてくれていると理解したのです。
虫たちは、不要なもの取り除き、必要なものは残し、菜園の調和が保たれるように最善を尽くしてひたすら働いてくれている。
こう考えると、虫たちがわたしに代わって畑のお手入れをしてくれているということですので、とってもありがたい存在!
以前のわたしは虫が苦手で、見るだけでもギャー!と悲鳴を上げるほどでしたが、今ではイモムシやカマキリを手に乗せて戯れるほど、どんな虫も大好きです♪
こうして自然をよく観察したり、自然と共に暮らしたり、自然に全てを任せてみたりすると、自然とはなんて完璧なシステムなのだろうと感銘を受けます。
全てが繋がりあっていて、ひとつひとつの存在に大きな使命と役割があって、お互いが大切な関係。
どれか一つでも欠けてしまうと、総崩れしてしまう可能性だってある。
そう考えると、雑草一本抜いてしまうこと、虫一匹を殺してしまうことに対して、少し考え方が変わってくるように思います。
次の写真を見比べてみてください。
草が抜かれ、農薬が撒かれ、虫が住まうところがなく、雨が降ったら土が崩れ、日照りが続いたら乾いてしまうお爺さんの畑。
草花が茂り、虫たちが住み、雨が降っても日照りが続いてもいつも青々と潤い輝くわが家の畑。
みなさんはどちらの方が、生命の躍動感や豊かさや幸せを感じますか?
本能から導かれるその直観的な答えは、いま地球が求めている答えでもあるかもしれません。
雑草や虫は、人間が野菜を育てやすいように神さまが創ってくださったサポーター。
そんなふうに捉えてみてみると、栽培の醍醐味が深まり、楽しさの幅がグン広がるような気がしませんか♪