息子と一緒に墓参りへ…反目していた父への感謝(JINSEIのスパイス!第43回)

【今週の悩めるマダム】

父親ががんを発症し、1年半前に手術を受けました。しかし、ここ数週間で体調が悪化。私自身も体調がよくないので、手紙を書いたり、健康食品を送ったりしていますが、もっと何かしてあげることがないか悩んでいます。万が一のことを考えると、恐ろしい気持ちになります。後悔しないために、どうすべきですか?(岩手県在住・40代主婦)

 

奥様のお気持ちは十分にお父様のお心に届いています。ですから、ご自分を追い込まないで。ご自身も体調がよくないということですので、今いる場所でできるだけのことでいいのです。たとえば毎日お祈りするということでもいいでしょうし、こまめに電話をして声を届けるだけでも思いは届くはずですから。そして、できるだけ楽しいことや愉快な思い出を語ってあげてください。生きてきたことの意味と素晴らしさを娘さんからお聞きになれば、お父様もさぞ安堵されることでしょう。それ以上のことは人間にはできません。奥様の体調がよくなったら、顔を見せに行くのもいいでしょう。でも、逆に無理をして奥様が体を壊したら、悲しむのはお父様ですから、無理はしないでください。

 

僕には84歳の母がいるのですが、大きな手術を乗り越えながら生きています。父は10年ちょっと前に他界しました。弟がいて4人家族でした。いい思い出もありますし、そうではないものもありますが、一生を通して同じ屋根の下で長く暮らすことができたことは素晴らしい思い出となり、今も僕の心に刻まれています。でも、僕はずっとパリに住んでいるので、父の最期を見届けることができませんでした。反目もありましたが、育ててもらった感謝のほうが大きかったですし、父親は常に自分の目標でもありました。男性と女性では父親への気持ちも多少違うかもしれませんが、こうやって自分が父親になった今、親が子を思う気持ちがやっとわかりました。ぎくしゃくしていた父とも、彼の死後10年以上を経て、やっと本当の意味で和解できたような気がします。残念なことに、生きている時に感謝を伝えることができませんでしたが、うちの息子は僕のかわりに、日本にやってくる度に九州にある父の墓参りに行きます。僕は何も言ってないのですが、彼はおじいちゃんが大好きだったので、九州で暮らす弟と一緒に墓参りをするのです。すごいことですね。こうやって人間というものは繋がっていくのですから。今年は僕も一緒に行きたいな。

 

奥様も、お父様のことを思い続けることが大事です。お父様を心配するその優しさは十分に届いています。まず、娘が健康になることをご自分のこと以上にお父様は願っているはずですから、奥様は一日も早く健康を取り戻せるよう励んでください。人間はたった一人で生まれてきて、そして、一人で死んでいきます。悲しい運命であることは事実ですが、家族の絆がその孤独を癒してくれます。だからこそ、この限りある時間の中に、愛しさや慈しみが芽生えるのだと思うのです。奥様の中にあるお父様への愛は本当に素晴らしいものです。ただし、決してご自分を追い込まないように。お父様のご快復を僕も心からお祈りしています。

 

【JINSEIの格言】

人間はたった一人で生まれてきて、そして、一人で死んでいきます。悲しい運命であることは事実ですが、家族の絆がその孤独を癒してくれます。お父様への愛は、きっと届いています。

 

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