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【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談<第2回>

TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう~医療と宗教の間のケア~』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。

 

【今回の相談内容】

主人の母親を自宅で看ています。洗濯物は多く、匂いも気になる。おまけに夜中に何度も起こされて、もう限界です。先日、介護殺人のニュースを見てドキッとしました。明日は我が身のような気がしています(65歳・主婦)

 

【回答】

まず、あなたは「明日は我が身」と気づいていらっしゃるので、とりあえずは「明日は我が身」の事態には至らないでしょう。物事は「気づく」ことで8割解決しているものです。

 

さて、義理のお母さまの介護をなさるというのは、並大抵のことではありません。「もう限界!」と叫びたくなるのも、あたりまえです。この世のどんなものにも必ず「陰」と「陽」があります。人の心とて同じ。「もう限界、放り出したい」というお気持ちと、「お義母さまのためになんでもしてあげたい」というお気持ちは、必ず共存するのです。いわば、それは橋の両端。もし、はじっこを見ずに歩いていれば、いつか橋から転げ落ちてしまうでしょう? だから私たちの日常には「あなたの限界はここだよ」と橋の両端を見せてくれる出来事が起こるのです。ここが「はじっこ」と知っているからこそ、バランスよく橋の真ん中を歩いていくことができるのですよ。

 

つまり、「がんばりすぎ」はダメ。お義母さまの洗濯物は、介護保険を使ってヘルパーさんにお願いする方法もあります。それから、夜のコールは、お義母さまに安心を感じてもらうことで減らせるかもしれません。例えば、可能なら同じ部屋に寝るとか、寝る前に5分ほど一緒に過ごす時間をつくるとか、です。そして「匂い」。介護の大きな課題ですね。どこのお宅でも気になっていらっしゃると思います。最近はいろいろな種類の介護用消臭剤が販売されていますから、試してみるのもよいでしょう。でも、実はあなたの「鼻についている」ということもあるのですよ。その場合はリセットしましょう。やり方は簡単。着ているお洋服の襟元にお鼻を突っ込んで「クンクン」と自分の匂いを嗅いでください。はい、これでお鼻のリセットは終了です。

 

こんなことしか言えないけれど、介護という大仕事の渦中にあるあなたの無事を祈っています。最後にひとつだけ。「変わることなくずっとこのままであり続けるもの」なんて、この世にひとつもないのです。だから、あなたの今の大変な状況も、必ず変わってゆきます。それを覚えていてくださいね。

 

【プロフィール】

玉置妙憂(たまおきみょうゆう)

看護師・看護教員・ケアマネ-ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』火曜のコメンテーターを務める。

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