シングルファザーでも芽生えた息子への母性(JINSEIのスパイス!第61回)

【今週の悩めるマダム】

30歳の娘が離婚をしたいと言い出し、私も主人もびっくり仰天しています。3歳のかわいい娘もおりますし、ご主人は公務員で真面目な方です。理由を尋ねると、「子育てと人生に疲れた」という意味のわからない回答で、やや育児放棄気味。なので、孫娘の面倒を私が見ることも多くなっています。(東京都在住・61歳主婦)

 

近頃、若い女性の育児放棄の話をよく聞きますね。さらに、ニュースでよく見かけるのが幼児虐待。幼いお子さんが母親に殺されるという事件も増えた気がします。とくに日本でこの手のニュースが多くなり、この件に関しては、人生相談のレベルを超えているので、国がきちんと対応してほしいと思っておりました。しかし、その根底に、若いお母さんたちの育児への拒否反応があるのではないか、と思うのです。まず、そうしたことがなぜ起きてしまうのかということを冷静に見つめていかないとなりません。育児放棄→虐待という流れは絶対に止めないといけない。奥様の娘さんの場合も、どのような問題が根本にあるのかを見つめる必要があります。このことに関して、娘さんのご主人にもきちんと話し合いに参加してもらった方がいいと思います。その前に、まずは娘さんが子育てのどこに疲れてしまったのか、人生の何に絶望しているのかを奥様が知っておく必要があります。

 

僕はシングルファザーです。育児がどんなに大変か、多分、誰よりも知っているつもりです。離婚した時、息子は小学5年生でした。高校生になる現在まで、言葉では言い表せない大変の連続。僕自身、胃潰瘍になったり、鬱(うつ)になったりもしました。でも、子育てを放棄すれば子どもは死んでしまいます。自分の趣味や仕事の時間を減らしてでも、子育てに向き合わないとならない、と悟ったのです。僕は男ですから母性というのは違うかもしれませんが、それでも、子どもと向きあうときに母性は必要です。子どもは母親を求めるので、友だちのお母さんたちが母親代わりになって息子に寄り添ってくれたこともありました。

 

ひとつ言えることとしては、3歳のお子さんのそばにはお母さんがいるべきですし、その子のことを考えると娘さんには母性を取り戻してもらうしかありません。奥様が娘さんをどうやって育てたのかを語って聞かせることが大事な第一歩になるのかな、と思います。奥様がお腹(なか)を痛めて産んだお子さんですから、娘さんに情がないとは思えません。様々な誘惑がありますし、娘さんに自分の人生を我慢しろとは言えませんが、幼い子に母親がどれほど重要かを説得する必要があります。その後、娘さんのご主人とも話をして、その人が理解ある人であるならば、力を借りながら、娘さんの不満を解消していくしかありません。最後は、家族の愛の力。誰かを悪者にするのではなく、みんなで助け合って繋(つな)いでいくしかない。僕の場合は、そういう存在の人がいませんでした。パリという特殊な街で暮らしていましたし、親戚もいませんでした。手を差し伸べてくれる人がいなかった。だからこそ、奥様の母親としてのアドバイスや意見が、娘さんの大きな力になると思いますよ。

 

【JINSEIの格言】

奥様が娘さんをどうやって育てたのかを語って聞かせることが大事な第一歩になるのかな。最後は、家族の愛の力。誰かを悪者にせず、みんなで助け合って繋いでいくしかありません。

 

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