長谷川初範 『101回目のプロポーズ』は回想シーンだけの出演予定でした
画像を見る 達郎(武田鉄矢)の一途さが共感を呼んだ『101回目のプロポーズ』

 

■浅野温子とは今でも恋人同士のようにハグを

 

思わぬ再登板となった撮影でのことだった。

 

「メーク室にいると浅野さんがやってきて、今度は『アル・パチーノみたいなオールバックにしてください』ってアイデアを出されました。それでスーツ姿にオールバックという藤井のイメージができあがったんです」

 

そんな藤井に引かれながらも、薫の中で達郎の存在が大きくなり、別れを決意する。

 

「広い公園で二人きり。このワンシーンのために、昼からセッティングやリハをして、薄暗くなった夕方6時くらいから本番という、半日もかけた撮影でした」

 

望遠カメラで撮影しており、周囲にはスタッフも含めて誰もいない。涙ぐみながら別れのセリフを言い合っていると、完全に二人だけの世界に入り込んでしまったという。

 

「撮影が終わっても、浅野さんは、本当に失恋したような感覚になって『私、このままでは帰れないわ』と言いだしたくらい。じつは私も、帰りの車を運転している途中で、涙があふれてしまいました」

 

名シーンを演じた浅野とは、今でも舞台を観る際などに出会うことがあるそう。

 

「本当に“恋人だった”感覚があるせいなのか、お会いするたびに、ハグし合います(笑)。こんなに入り込める作品に出合えたなんて、幸せですよね」

 

【PROFILE】

長谷川初範

’55年、北海道生まれ。’78年に本格的なデビューを果たして以降、多くの映画やドラマに出演。11月6日よりNetflix配信の映画『クレイジークルーズ』に出演する

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