「当時の日本テレビがあった麴町近辺や、六本木が多かったですね。ショーケンのなじみのお店に行くことが多かったと思います。自分が前に出るというよりも、聞き上手で、音楽やファッションの話題で盛り上がっていました。坂口良子さんや、大部屋俳優だった拓ぼん(川谷拓三さん)など、よくお酒を飲む人が多くて、楽しかったですね」
ショーケンの先輩となる花板を演じた梅宮辰夫さんは、セットの厨房で、たびたび得意の料理を披露したという。
「NGを出したときのために、生の魚は多めに仕入れるんです。だから、料理の撮影が終わると辰にいが余った魚をキレイにおろしてお刺身にしたり、お鍋を作ったりして『食えよ、食えよ』と振る舞ってくれました」
放送が2クール(半年)に及んだので、撮影期間が長く、出演者同士の結束も強まったという。
「明け方まで撮影して、いっぱいお酒を飲んで、朝の9時から撮影開始するなんてこともありました。台本の読み合わせ、立ち稽古、本番など、今のドラマよりも、手間も時間もかかりましたが、みんなが一丸となって作る熱量は特別なもの。かけがえのない時間を過
ごしました」
【PROFILE】
丘みつ子(おか・みつこ)
’48年、東京都生まれ。’68年、日活に入社後、すぐに映画『禁断の果実』で主演デビュー。数多くの映画、ドラマに出演。’80年代には「日本のお母さん」とも称されるほど。陶芸作家としても有名
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