ドラマ『やっぱり猫が好き』の思い出を語る室井滋 画像を見る

「レギュラー放送が終了してから30年以上たちますが、今でも、私のことを『レイちゃん』と呼んで涙ぐまれる方がいたり、番組ファンだという若い方がたくさんいらして、本当にありがたいと思います。一度見始めると、クセになっちゃうみたい(笑)」

 

そう語るのは、ドラマ『やっぱり猫が好き』で次女・レイ子を演じ、一躍人気者となった室井滋さん。台本はあるもののアドリブが多く、そのなかで急遽生まれた設定によって、キャラクターが膨らんでいったという。

 

「細かくカットを割らず、一度カメラが回りだしたら、セリフが飛ぼうが絶対に止めない。そこが通常のドラマと大きく違うところでした。台本には『レイ子はフリーター』と書かれていただけでしたが、本番で長女役のもたいさんが突然、『女優の卵』とアドリブで言ったのがきっかけで、レイ子の職業が売れない女優になっちゃった(笑)。どんどんキャラクターが積み重なっていくのが、自分たちもやっていて楽しかったですね」

 

あるときは、役名義でドラマに飛び入り出演したことも。

 

「京都の太秦の撮影所に行って、レイ子が時代劇にちょい役で出させてもらったんです。クレジットを出すなら『恩田レイ子』だろうと。なので、室井滋のプロフィールには入っていません(笑)」

 

何人もの脚本家のなかには、三谷幸喜もいたが、当時は、おとなしい印象だったと振り返る。

 

「劇団を主宰されていて、とても面白い本を書かれる方でしたが、物静かで、今のようにハキハキとお話しされる感じではなかったんです。さとちゃん(小林聡美)とお付き合いが始まったのは、番組が終わってからだと思いますが、お2人の関係には全く気づきませんでした」

 

思い出に残っているのは、米国ニューヨークで敢行した海外ロケ。「ドラマの登場人物は姉妹と動物だけ」という方針を崩さなかったスタッフは、現地の風景や人を一切、映さないことを決断したのだとか。

 

「せっかくの海外ロケなのに、何の変哲もないビルの地下で番組を収録しただけで、ニューヨークっぽさなんて全くなかった(笑)」

 

約3年にわたって放送されたドラマは、年末年始の特番が生放送されるほどの看板番組に。

 

フジテレビの社屋がまだ河田町にあったころで、ビルの壁一面に私たちのポスターが張られていました。その写真がとても美しくて、うれしかったことが、今でも心に残っています」

 

実の姉妹とも思われるほど息の合った演技を披露したが、その後3人そろっての共演はない。

 

「私にとって、2人は遠い親戚みたいな存在。また、3人で集まって、『やっぱり猫が好き』をやりたいですね。おばさんになった姉妹が人生に敗れて、結局また一緒にいるみたいな、そんな話にしたら面白いだろうなと思います」

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