そんな翔子さんの恋心に接して、泰子さんが思い当たったことが華厳経の『唯心経』。百字心経の中に“心が全てを決める”という教えが凝縮されている、世界一美しいといわれる経典である。この数年、楷書で写経に精を出している泰子さんは、翔子さんの恋をこう解釈する。「恋なんて実態がなくて、いつも不安で脆くて危ういものです。けれど翔子の恋心は自分の心が好きであれば相手も同じように好きでい...

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