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「昨年12月の衆院選で与党が3分の2を超える議席数(参院で可決されなくても、衆院通過から60日以降再び衆院で可決し、法案成立ができる「60日ルール」が適用可能な議員数)を獲得、安倍首相の暴走が本格的に始まった」

 

こう話すのは、慶應義塾大学経済学部教授でテレビ・ラジオでコメンテーターとしても活躍する金子勝さん。いったん安保法制が成立すれば、あとはなし崩し。自衛隊の出動と原発再稼働が来年には現実のものになる可能性も。

 

「安倍さんの理想としては維新の党を抱き込んで、9月に参院でスムーズに安保法制を可決したい。その駆け引きで維新がダメなら、参院も強行採決。これも参院の自民・公明の抵抗でダメとなったら、最後は60日ルールで衆院再可決。ただこの道を突き進む場合、途中に総裁選をやると、安倍さんへの反旗が上がるかもしれない。そこでウルトラCとして、10月まで総裁選を延期。その間に安保法制成立という手もあるかもしれない」(金子さん・以下同)

 

この最悪のシナリオを覆す方法はないのか?

 

「安倍さんがもっとも恐れているのは女性ですよ。内閣の命運は支持率に大きく左右されるんです。いま支持率は30%台後半ですが、これからもっと下がる可能性がある。分水嶺は30%。仮に20%台になったら、安倍さんが安保法制と心中して法案成立後、退陣するか、もしくはあきらめて廃案になる可能性もあります。いずれにせよ、男は社畜なので景気がよくなるならいいかと思って支持する層がいる。しかし女性は騙されない。自分の夫や子どもが戦争に駆り出される危険もあると知れば絶対に安倍さんを支持しない。今後、内閣支持率を下げるのは女性の力なんです」

 

仮に女性の反発がいまよりも拡大し内閣支持率が20%台に落ち込んだとしたら、「さすがに60日ルールは使えないでしょう。そのまま時間切れ廃案もありえます」と金子さんは語る。そんな内閣支持率を一気に下げるきっかけになるのではと、金子さんが注目するのが、8月30日に予定されている安保法制反対の国会前デモだ。

 

「主催者は10万人集めると言っているが、それ以上14万〜15万人が集まるかもしれません。国会前の街路に人があふれかえる。これは想像以上に安倍内閣へのダメージになるでしょう。選挙が来年11月までない以上、安倍首相の暴走を止められるのは、こうした国民運動しかない。ぜひ女性が声を上げることで、安倍さんを止める壁になってほしいと願っています」

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