厚生労働省の発表した推計によれば、現在の40~50代が老後を迎える2030年には、単身世帯の割合が約37%にのぼるとされている。ライフイベントが少ないため、“備える”という感覚が希薄なおひとりさまのマネーライフ。ファイナンシャルプランナーで、家計の見直し相談センター代表取締役の藤川太さんに、おひとりさまの老後生活の安定について聞いてみた。

 

「年金支給開始までに、ある程度老後の生活を安定させておきたいならば、家がある人の場合、目安は貯金1千万円。家がない人の場合、500万円程度のワンルームマンションを購入することを考慮して、1千500万円ぐらい貯金しておけば、やっていけると思います。ただし、ぜいたくな生活をしないことが大前提です」

 

現在、50代の貯蓄額の中央値は約500万円といわれ、1千万円以上貯蓄している人は、全体の3割超。残る7割近くの人が貯金1千万円は持っていない。

 

「現時点から始めるべきことは、とにかく貯金すること。たとえば40歳の人なら、これから毎月3万円ずつ貯金すれば、20年で720万円。25年で900万円貯まります。そこから自分の年金支給額と照らし合わせて、定年までの生活設計を立てていくことです」

 

おひとりさまの老後の住まいについて藤川さんはこう語る。

 

「老後に借金することなく、ワンルームマンションを購入できれば、住む場所の不安は解消できます。”借金をしてまで購入する”というサイクルだと、不安から逃げられない。でも、”貯金して買う”というサイクルにすれば、すくなくとも不安は減りますからね」

 

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