「この秋にも原発再稼動という動きが現実化してきている。とんでもない話です。2年前の福島第一原発事故による放射能汚染の現実をもう忘れてしまったのでしょうか」

 

こう憤るのは「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)」の委員を務めた田中三彦さん(科学ジャーナリスト)。田中さんは福島第一4号機の原子炉圧力容器の設計などに関わった原発の専門家だ。

 

一部、報道では、原発の新しい安全基準が導入される7月以降、四国電力の伊方原発(愛媛県)を筆頭に、九州電力の玄海原発(佐賀県)、川内原発(鹿児島県)などが、早ければ今秋にも再稼動かと報じられている。じつはこの3つの原発は「大きな問題点を抱えているのだ」と識者はいう。

 

【伊方原発】

「先日、東海沖から九州沖に至る南海トラフで巨大地震が発生すれば、最悪で220兆円の経済被害が生じると政府が公表しました。伊方原発は南海トラフ地震の震源域すれすれにある。もし間近で大地震が発生したらと考えたら、とても再稼動はできないでしょう」(前出・田中さん)

 

【川内原発】

「この原発で心配なのは、地震よりも火山活動。鹿児島は最近も霧島連山の新燃岳、桜島と、火山活動が活発な地域です。霧島連山から連なる原発周辺の火山が噴火した場合、原発が火砕流で被災する可能性があるんです」(市民の立場で原子力の危険性のデータ収集を行っている「原子力資料情報室」共同代表・伴英幸さん)

 

【玄海原発】

「原子炉は鋼でできています。その鋼がどのくらい脆くなっているかを示すものに、脆性遷移温度があります。玄海1号機も運転開始時にはその値はマイナス50度ととても低かったのですが、現在、98度まで上昇。緊急炉心冷却装置を使ったら、その瞬間に炉がパリッと割れてしまう『脆性破壊』を起こすかもしれないというほど、脆くなっているのです」(田中さん)