隔週連載〈中山秀征の語り合いたい人〉、今回のお相手は、若者の立場から社会を鋭く読み解く社会学者の古市憲寿(のりとし)さん(29)。現代日本を取り巻くさまざまな問題を根本から考える。

 

中山「社会学から現代日本を生きる女性の問題について伺いたいんですが。あるランキングを見ると、働く女性の悩みでいちばん多いのは『子育て支援』だそうです。ずっと言われてますけど、なかなか進展しないのはどうしてなんでしょうか?

 

古市「それはやはり、政治家がおじさんばかりだからじゃないでしょうか。日本って、政治家や会社の経営者など、社会的に重要なポジションの女性率がすごく低いんです。一部のそうした立場にある女性は、スーパーウーマンみたいな人ばかり。“普通の女性”に偉い立場の人というのがなかなかいないんです。もうひとつ、女の人にはできれば家にいて家事や育児をしてほしいけれど、仕事もしてほしいというふうに、国全体でも一般家庭でも女性を都合よく活用しようとしていることが問題ですよね」

 

中山「お母さんだけがどんどん忙しくなっているんですね」

 

古市「はい。昔の価値観を変えないままで、さらに外で働いてほしいと思っていて、女性ばかりがいろんなものを背負わされているわけです」

 

中山「問題点はわかっていても打開するのは難しいんですか?」

 

古市「社会というのはなかなかすぐには変わりませんね。国は都合よく『少子化を解消しないと』と言うくせに、保育園をちゃんと整備していなかったり育児にお金を出さなかったりして、今の日本では子育てがまるで罰ゲームみたいな状況なんです」

 

中山「それじゃあ、少子化が解消できるわけがない。どうしたら問題が解決できるんでしょう」

 

古市「日本は、ずっと男性が中心で働いてきた社会です。その昭和型の働き方が今も実はほとんど変わっていないのが問題ですね。たとえば毎日、男性が16時間も働いていたら、家族を作るどころではないし、子育てもできないということを国も気がついてはいるので、これから良い方向に進んでいくとは思いますが……。本当は、男女共に8時間ずつ働き、子育ても両方が担うほうが会社にとっても効率的だし、人に優しい社会になるはずです」

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