’15年度予算案が閣議決定された。中身を見ると、目立つ削減のひとつが介護報酬の2.27%引き下げ。介護の現場は人手不足のうえ、介護報酬の引き下げで、サービスの質の低下を懸念する声が広がっているという。

 

「介護の予算が削られても、家族にはきちんと介護を受けさせたい。そのためにはいいケアマネジャーを選ぶことが大事」と語る経済ジャーナリストの荻原博子さんに、安心できるケアマネジャーの選び方を教えてもらった。

 

「ケアマネとは、介護を必要とする方の相談を受け、介護サービスの計画書(ケアプラン)を作成し、利用するデイサービス事業者などと連絡や調整をする介護の専門家。利用料は介護保険から支払われます」

 

【1】インターネットで情報収集

厚生労働省が運営する「介護事業所検索」には事業所にリストがあり、ケアマネの経験年数などがわかります。経験豊富な方と、若いやる気のある方のどちらがいいかは一概には言えませんが、参考にしてください。

 

【2】クチコミ情報を集める

かかりつけの病院で医師や看護師、ソーシャルワーカー、デイサービスを利用中のご近所や、ヘルパーとして働く知人などに、実際に評判のいいケアマネを聞きましょう。

 

【3】担当利用者数が多すぎないケアマネを選ぶ

1人のケアマネが、40〜50人の利用者を担当していることも。担当者があまり多いと、それぞれの利用者に関わる時間は、少なくなります。

 

【4】専門知識の豊富なケアマネを選ぶ

介護保険に詳しいのは当然ですが、病状の進行や、介護保険以外で生活支援を行うボランティア団体についても、質問してみましょう。

 

【5】さまざまな事業所を紹介してくれるケアマネを選ぶ

多くのケアマネはデイサービス事業所などの介護施設に所属していますが、自分の所属先を紹介するのがケアマネの仕事ではありません。利用者の希望に沿ったさまざまな選択肢を提供してくれる方を選びましょう。利用者に合わせて介護事業所を選ぶケアマネは、その経験からたくさんの施設を知っています。

 

【6】気持ちに寄り添ってくれるケアマネを選ぶ

いいケアマネほど利用者を多く抱え、多忙です。それでも、丁寧に家族の話を聞いてくれる方を選びましょう。

 

【7】利用開始後も変更可能

あとから問題が見つかりケアマネを代えたい場合は、自治体の窓口に相談してください。いつでも変更できます。

 

厚生労働省によると、65歳以上の方のうち、要介護、要支援の認定者は約18%(’14年9月)。6人に1人だと考えると、人ごとではない。

 

「高齢者が元気なうちから、情報を集めておきましょう。きょうだいがいる方は、介護の分担や費用の負担なども話し合っておくと安心です」

経済ジャーナリスト
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