「どんな人でも、遅刻はしでかすもの。人生で1回も遅刻したことない人なんていないでしょう。大事なのは、そのあとにどう対処するかです」

 

そう語るのは、漫画家でコラムニストの杉作J太郎さん。幾多の遅刻を経験した「平成の遅刻王」だ。春を迎えて急に世間をにぎわせている「遅刻」のニュース。「たるんどる!」と思いつつも、誰しも経験があるもの。そこで、本誌の読者から集めた遅刻の「尻拭い法」6種を、決まり手風に紹介。杉作さんに感想を聞いた。

 

【キレ入り】……「ホント、信じられない!頭にくる!」などと、理由なんか聞けないくらいの剣幕で現れ、遅刻をなかったものにする。

「考えとしてはアリかもしれませんが、これが通用するのは高校生まで。『気の短い人だなぁ』というレッテルを貼られる、リスクの大きい技です」

 

【バックレ】……「10時からでしたっけ?」「月曜でしたっけ?」など、日時を勘違いしていたと、シラを切り通す。

「いちばん楽だと思います。最大の欠点は、同じ相手に何度も使えない、ということ。1回のみの伝家の宝刀、と考えたほうがいいでしょう」

 

【もの忘れ】……「すぐ近くまできているんだけど、すごく大切なもの(資料など)を忘れてしまった。取りに戻らないと話にならないので、先に進めておいて」と連絡する。

「軽い待ち合わせ程度であれば、使える技だと思います。でも重要な案件では、かえって逆効果です。『電話してくるヒマがあったら、さっさと来い!』と言われそう。いちばん危険かもしれません」

 

【時計止め】……腕時計をあらかじめ止めておく。部屋に入ってから「あれ〜、私の時計、止まってる!」と、さも今、気づいたふりをする。

「今の時代には厳しいんじゃないでしょうか?ギャグの通じる相手で、かつ面白いと思われてもいいシチュエーションなら、うまくいくかもしれませんが……」

 

【ギリ電】……電話をしながら合流し、「時刻どおりに来ていたんだけど、電話に応じなければならなくなって、結果として遅刻してしなった」ことをアピール。

「5分程度の遅刻には、十分、使えるんじゃないでしょうか。同席している人たちも『仕方ないよね』と感じます。でも1時間の遅刻にはねえ……」

 

【とっぱらい】……余計なことは言わず、問答無用でみんなに3千円ずつ払う。

「いいじゃないですか! ただし金額は、3千円ではなく3万円。想定の10倍、そのくらいの痛みを伴わなければ。そして言い訳は、『前の仕事でおカネが入ったので、幸せのおすそ分けをいたします』と。そうすると3万円もらった側も「え? なんだか悪いですねえ」みたいになって、遅刻への怒りも吹き飛びます」

 

個人的にもっとも使えそうな決まり手は、「とっぱらい」だと杉作さんはいう。いずれにせよ、遅刻しないことがいちばんですけどね!

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