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「福山型先天性筋ジストロフィー」という病気をご存じだろうか。

先天性の遺伝子の異常が原因になっている疾患で、小学校低学年くらいで筋力のピークを迎え、その後徐々に寝たきりになっていき、若くして亡くなる方も多い病気だ。

 

我が子がもし、筋ジストロフィーと診断されたら――。

 

「初めてこの病気を宣告されたときは、暗闇のなかに突き落とされた気持ちになりました」

 

そう語るのは、8月17日に発売された書籍『えがおの宝物―進行する病気の娘が教えてくれた「人生で一番大切なこと」―』の著者であり、福山型先天性筋ジストロフィーの娘を育てながら、親業インストラクター、心理カウンセラーとしても活動している加藤さくらさん(34)だ。
 

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えがおの宝物―進行する病気の娘が教えてくれた「人生で一番大切なこと」ー
本体1,500円+税(光文社)

 

加藤家は夫婦と娘2人の4人家族。現在5歳になる次女の真心(まこ)ちゃんは福山型先天性筋ジストロフィーを患っており、周りの人の全介助を受けながら生活している。

 

「生後6か月のときに病名を告知されました。当時は、『何かの間違いに違いない!』と何度も思い、事実を直視できませんでした。正直、真心(まこ)の病気を受け入れるまでは、何を見ても何を聞いても笑う心境になれず、幸せそうな人を見るたびねたむ気持ちでいっぱいで……」

 

遺伝性の病気ゆえ、自分を責めてしまう日々。加藤家の長女・ゆとりちゃんに十分時間をかけて向き合えないなかでの次女の介護。同じく落ち込む夫と心境を分かち合えない日々。加藤家をさまざまな困難が襲った。

 

娘の心からの笑顔に“真心は、生まれてからずっと、今も幸せなんだ!”と気づく

それが今では、家族全員で毎日心から笑える日々を過ごしているという。

さくらさんは「自分がやりたいことをやろう!」と仕事を再開。昨年はフランスに一人旅にも出かけた。毎年、家族全員での宮古島への旅行も欠かさない。
 

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立位装具を付けた真心ちゃん

 

「決して強がっているわけではなく、実際、私の心は真心が生まれる前よりも、今のほうが断然楽しいし、幸せです。“自分にウソをつかずに生きることの大切さ”に気付いたから。自分の心に正直に生きていい、そう教えてくれたのは、まぎれもない真心でした」

 

そう語るさくらさん。真心ちゃんの笑顔が彼女に「今、目の前にある幸せ」を教えてくれたという。

 

「真心は生まれたときからお地蔵様のような穏やかな表情で、いつもニコニコしてるんです。病気が分かったときもそうでした。私は病気を宣告された日から、そのことを完全に見過ごしていたんです。あるとき真心が生まれてから今までの写真やホームビデオを見返したら、どんなときも笑顔の真心がいました。『真心は、生まれてからずっと、今も幸せなんだ!』と気づきました。だったら『私も、今この瞬間を一緒に幸せに生きたい!』って、思ったんです」

 

心から笑顔でいるための加藤家6つのルール

加藤家には、紆余曲折を経てさくらさんが導き出した「心から笑顔でいるための6つのルール」がある。

 

・ルール1 悩みは抱えたその人が解決できる、と信じる
・ルール2 相手の心に寄り添う
・ルール3 色眼鏡をかけず、相手の行動を見る
・ルール4 本心&「わたし」を表現する
・ルール5 “受け止め方”を意識していい結果につなげる
・ルール6 今、この瞬間を大切にする

 

その詳細は著書『えがおの宝物』に書かれているが、ここでは加藤家の夫婦関係改善に役立ったという「ルール4 本心&『わたし』を表現する」をご紹介したい。

 

夫の行動にイライラ! そんなときは“本心&「わたし」”を表現しよう

仕事や資格試験で忙しく、家族の相手をしない夫たちは意外と多いのでは?そんなとき声高に相手を非難するのはNG。「もっと子供と遊んでよ!」「家族の時間を作ってよ!」「ちゃんと目を見て話してよ!」などと主語が「あなた」になっていると、相手には非難に聞こえてしまう。そんなときは、自分の本心を「私は~」という表現を使って表現してみよう。

 

例えば・・・

 

「パソコンや本を見る時間を多くとっていると、家族との時間を大切にする!と約束したことを忘れられたようで “私は”ガッカリする」

「目を見てくれないと、存在を忘れられたようで“私は”寂しい」

 

実は上に挙げた2つの例は、実際にさくらさんが夫に使った言葉。正直な気持ちが伝わり、その効果はテキメンだったという。

 

「我が家のルール1~6はすべて、心理学や“親業”というコミュニケーションプログラムがベースになっています。どちらも私自身が好きで学んでいたものですが、真心の病気を受け止めて前向きに歩いていく土台になったのは、こういった考え方でした。今回書籍を出版するにあたって、『泣かせる本』にはしたくない、笑顔の大切さを伝え、読んだ人が前向きになる手助けになれれば……と思って書きました。そこで、我が家の赤裸々な実体験を交えつつ(笑)、具体的なノウハウも紹介しています」

 

子育てやパートナーとの悩み、人間関係全般の悩みに効きそうな一冊。書籍の応援HPや動画などもあるそうなので、気になる方はチェックしてみては?

 

ドキュメンタリー映画「えがおのローソク」HP
http://www.egaonorosoku.com/

加藤さくらHP『Sakura Kato@home』
http://www.sakurakato.com/

【3分物語】
http://3minute.life/

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