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久々に帰省したら、賞味期限切れの食品やら着られなくなった洋服などがあまりに散らかり、変わり果てた実家の状態にビックリ。思い切って片づけを提案し、不要な物を捨てようとすると、親と口論になり……、といった経験をしている人は少なくない。

 

「親世代は“捨てる”という発想がそもそもないんですよ。物がない大変な時代を生きてきたから、なんでもとっておくんです。だからこそ敬意を払って片づけていく必要があるんです」

 

こう語るのは、片づけ上手塾エグゼカレッジ表参道校代表理事の渡部亜矢さん。そんな親世代にどう対応すれば、実家の片づけはスムーズにいくのか?渡部さんに鉄則を教わった。

 

《鉄則1》完璧を目指さない

「子ども世代は片づけようと思ったら、物を全部出して1からとか、完璧を目指す人が多いです。しかし一気に進めたり、完璧を目指しすぎることで、親は作業についていけずにリバウンドします。少しでも片づいたらいい、という気持ちで始めましょう」

 

《鉄則2》子どもの「使いやすい」が親の「使いやすい」とは限らない

「効率よく収納するため、たとえば台所のフライパンを壁に掛けたとしても、親がふだん棚に入れて使っていたのなら、結局使いづらくて元の位置に戻してしまいます。親の生活習慣に即した片づけを。あくまで片づけの主人公は親ですから“片づけさせる”“片づけてあげる”の考え方はやめましょう」

 

《鉄則3》NGワードの言い換え

もめるような言い方を、親が片づけようと思える言い方に換えること。「この服、まだ着られるから……」に、「どうせ着ないでしょ」はNG。「サイズ変わらなくていいね。別の場所でとっておこうよ」と言い換えて。「タオルはいつか使うかも……」に、「こんなにあっても使わないでしょ」はNG。「今使ってるのをふきんにして、新しいものをおろそうよ」とサラリ。

 

《鉄則4》ゴミ出しの日は要確認

「ゴミ回収日を確認せずに片づけを始めると、大量のゴミが家の中に残ります。親は捨てようにも重くて捨てられない。放置しておくと、やがてはゴミをあさって、使えそうなものを家の中に戻してしまいます」

 

《鉄則5》押入れや納戸は最後

「わざわざ収納できているものを出してしまっては、さらに散らかってしまいます。とりあえず収まっているものは安全面からも最後でいいんです」

 

《鉄則6》3秒ルールで、いる、いらない、の判断を迅速に

「いちばん困るのが、いるかいらないかの判断に迷うものが出てきたとき。一時保管箱を作り、3秒以上迷って決められない物は、一時保管箱に入れて、他の部屋へ移動させましょう」

 

《鉄則7》一時保管箱は親の目が届かない場所へと避難

「一時保管箱もすぐ目の届く場所にあると、ゴミ袋同様、中身を出してしまう可能性が。一時保管箱を置く部屋を決めるか、箱に封をして荷物を出せない工夫をしましょう」

 

「重要なのは親とのコミュニケーション。親の人生を知ろうと、結婚前から1年単位で家族の行事や大きな出来事を記す“親のライフメモ”を作ると、どんな物に思い入れがあるのか、何が好きだったのかなどがわかります。それがわかれば自然と、親にとって捨ててもいいものと悪いものの判断ができるように。その物への思いを聞いてもらっただけで満足して、捨てていいと思えたり……このように親のことを知ることが片づけへの近道です」

 

片づけを通して親子関係を見つめ直し、人生の覚悟と希望を持つきっかけにしよう。

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