「私は、日本人です」’88年、日本からの墓参の一員としてサハリンを訪れていた樺太生まれの小川よういちさん(83)は、ユジノサハリンスクの町中で突然1人の女性から話しかけられ、歩みを止めた。「本当ですか。やはり日本人はいたんですね」このとき60代半ばだったという、サハリン残留法人1世の野呂静江さん(92)は懸命に訴え続けた。「ずっと日本人であることを隠して、ここサハリンで...

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