ずんぐりと大きな体に、つややかな濡れた肌。丸いつぶらな瞳と、いつも笑っているような口元。水族館の海獣たちは、その姿を見せるだけで人に幸福感をもたらしてくれる。日本で海獣の飼育が始まってからおよそ1世紀。生態もわからないころから彼らを研究し、命を守り、愛することに半生を注いだ海獣医師のパイオニアは、強く優しいニッポンのおかあちゃんだった−−。「呼吸確認!」「採血します!」...

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