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今年創刊40周年を迎えた「月刊少年マガジン」。少年時代、そんな少年誌に載っていたHなマンガをドキドキしながら読んだ経験は誰しもあるだろう。そこで今回、本誌は40代&50代読者300人に少年誌・青年誌で連載された「もう一度読みたいお色気マンガ」をアンケートした。ベスト10は次の通り。

 

【第1位】「ハレンチ学園」永井 豪

「少年ジャンプ」「増刊少年ジャンプ」「少年ブック」「週刊少年ジャンプ」「月刊少年ジャンプ」誌上において1968年から1977年にかけて連載された学園ギャグ漫画。小学校を舞台にヒゲゴジラ、丸ゴシ、マカロニなどのエッチな教師とヒロイン・十兵衛たち小学生が繰り広げる騒動を描く。「ジャンプ」の創刊号から連載され、その人気は桁外れで、読者の人気投票では1000票中800票を独占。社会的にも空前のブームとなった。

 

【第2位】「けっこう仮面」永井 豪

「月刊少年ジャンプ」誌上において1974年から1978年にかけて連載。日夜過剰な体罰をおこなっている恐怖の進学校「スパルタ学園」に現われた正義の味方はマスク、マフラー、グローブ、ブーツをつけているが、それ以外は全裸という謎の少女だった。武器はヌンチャクと己の裸体、大股開きで敵の顔めがけて飛びつき、呼吸困難にさせる「おっぴろげジャンプ」が必殺技。

 

【第3位】「みんなあげちゃう」弓月 光

「週刊ヤングジャンプ」誌上において1982年から1987年にかけて連載されたエロティックラブコメディ。一人暮らしの予備校生・地下中六郎と、彼のもとに突如「処女いりませんか?」と訪ねてきた女子高生・間宮悠乃。2人がさまざまな騒動を起こしつつ受験や結婚を経験する。第2話で悠乃の処女が貫通して以降、そのほかの女性キャラクターも含めたくさんの性交する場面が描かれている。

 

【第4位】「キューティーハニー」永井 豪

「週刊少年チャンピオン」誌上において1973年から1974にかけて連載。同時期にアニメ化された。日本の変身バトルヒロインものの元祖的作品。アンドロイドの少女・如月ハニーが父親を殺害した犯罪組織「パンサークロー」に立ち向かう。人間を超える運動能力を持ち、亡き父が発明した「空中元素固定装置」によって自在に衣装やアイテムを変えられ、その衣装に応じた能力を発揮できる。ギャグ、エロ、アクションが一体となった名作。

 

【第5位】「まいっちんぐマチコ先生」えびはら武司

「少年チャレンジ」で1980年から1982年まで連載。同誌が休刊後は「アニメディア」「中2コース」などに掲載。女性教師・麻衣マチコを描く学園コメディ。「ボインタッチ」「スカートめくり」など、毎回いろいろなエッチ攻撃を仕掛ける学園のイタズラ小僧と「いや~ん、まいっちんぐ!」というマチコ先生の名セリフは一世を風靡した。

 

【第6位】「BASTARD-暗黒の破壊神-」萩原一至

「週刊少年ジャンプ」で1988年から1989年にかけて連載。「増刊週刊少年ジャンプ」を経て、現在は不定期で「ウルトラジャンプ」で連載中。少年の体内に封印され、「処女の接吻」で復活した伝説の超絶美形魔法使いが、邪神、天使・悪魔といった敵と戦うダークファンタジーバトル漫画。世界中に熱狂的なファンを持つ。

 

【第7位】「Oh!透明人間」中西やすひろ

「月刊少年マガジン」にて1982年から1987年にかけて連載。イクラを食べると透明人間になれる主人公の荒方透瑠と、その思い人である下宿先の娘・萩谷良江を中心としたお色気ラブコメディ。

 

【第7位】「やるっきゃ騎士」みやすのんき

「月刊少年ジャンプ」にて1984年から1988年に連載。“女尊男卑”を掲げる超お嬢様学園に転校してきた自らを硬派と名乗る主人公・誠豪介。学園を支配する女のみの自治クラブが君臨しており、その代表を務めるのは、財閥の跡取りであり学園理事長の娘・美崎静香。「男子の尊厳」を取り戻すため、無類のエッチ男子・豪介は持ち前のスケベ根性で自治クラブに立ち向かう。

 

【第9位】「2人におまかせ」八神ひろき

「月刊少年マガジン」にて1987年から1989年まで連載。金髪のショートカットの男勝りな性格の新人婦警・草壁純と、大財閥のお嬢様で、世間知らずのおっとりした新人婦警・川村さゆりが主人公。毎度、事件に挑むたびにどちらかが脱がされながらも、事件を解決していくストーリー。

 

【第9位】「ハートキャッチいずみちゃん」遠山 光

1982年から1987年まで「月刊少年マガジン」で連載されたラブコメ漫画。明智菊丸の高校に転校してきた原田いずみ。彼女には心を読める能力があり、菊丸のスケベな作戦をすべ見破ってしまう。だが、彼女の心が読める設定は第4話以降出てくることはなく、菊丸と複数のヒロインのドタバタセクシーコメディとなっている。

 

この結果を受け、『エロマンガ・スタディーズ』などの著書がある漫画評論家の永山薫さんは、こう語る。

 

「少年誌で求められているお色気とは、リアルなSEX描写ではなく、Hなファンタジーなんです。永井(豪)作品にはお笑いの要素に加え、パンチラや着替え、入浴シーンといった『寸止め』のエロスがある。このテクニックはエロコメ漫画の基本として現代に受け継がれています。当時の永井先生の担当編集者が『現実を知ってしまうと、妄想パワーが落ちるから』と、永井先生に女遊びをさせなかった……!?という伝説が残っているほど。後世に及ぼしたお色気マンガの影響という点では神様・手塚治虫より上でしょう」

 

(FLASH 2015年12月22日号)

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