image

転勤や引っ越しが増えるこの季節。新居を探すのにネットで検索する人も多いが、そんな物件探しで、人工知能が活用されているという。不動産会社のハウスコム社が運営している「人工知能でコムる」という検索システムがそれだ。

 

手順は簡単で、これまでの物件検索のように、いろいろな項目をチェックしなくても、人工知能がオススメの物件を導き出してくれるのが特徴だ。2月下旬にサービスをスタートさせ、以降、数週間で1万人ほどの利用があったという。

 

「当社が取り扱っている50万件の物件のデータベースと、年間6万7千件以上の賃貸物件仲介の実績を基に、人工知能で解析を行っています。簡単に説明すると、築浅の物件だけを選んでいくと、人工知能が『この人は築浅の物件を探している』と判断し、築浅の物件が表示される、というような仕組みです。実際にはひとつの物件について、約50項目で分類し、その中で条件の組み合わせを総合的に解析しています」

 

説明してくれたのは、同社営業企画課の安達文昭さん。検索の仕方はたしかに簡単だ。まず、住みたい場所を「最寄り駅」か「場所」から選ぶ。次のページで希望する家賃を選択し、さらに次のページで部屋の広さを家族構成の形で選ぶ。こうすると、現在、取り扱いが可能な物件の中から、3件の情報が表示される。

 

「この3つの中から、気になるお部屋をえらんでね」というメッセージが表示されるので、気になる物件を1件選択。そうすると、先ほどとは違う物件がまた3件、登場する。ここで1件を選択すると、またまた違う物件が3件、表示されるので、そのうちの1件を選択する。

 

ここまでで、合計3件の物件を選択したことになる。人工知能はこの3件を基に、利用者がどのようなイメージを望んでいるのかを分析・判断し、「あなたにオススメのお部屋はこちらです!」と、最終的に新たに3件の物件を提示するのだ。安達さんによると、人工知能による検索は、優秀なアドバイザーに近い結果を出すことができるという。

 

「従来のような、多くの項目をチェックするような検索形式だと、その条件に合うものしか選ばれません。また、すべての条件を満たす物件を探し出すことは難しく、何かの条件で妥協していただくことも多いのです。そういう場合、優秀なアドバイザーは、お客様との会話の中で、その妥協の許容範囲を判断し、ご提案することができます。人工知能は、お客様の条件のゆらぎ、あいまいさに対応できるため、それに近い物件をご提示することができるのです」

関連カテゴリー: