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「真田信繁(堺雅人)の幼なじみ、きり(長澤まさみ)の言葉遣いがネット上で批判されていましたが、あれは現代の言葉でわかりやすく伝えたいという演出でしょう。ただ、信繁ときりの関係が、幼なじみの現代的なラブコメディを毎回のように連想させることに、時代劇ファンは違和感を覚えています」

 

そう話すのは、大河ドラマウオッチャーで、『真田幸村と真田丸の真実 徳川家康が恐れた名将』(光文社新書)の著者でもある歴史学者の渡邊大門さん。

 

脚本/三谷幸喜、主演/堺雅人。当代のヒットメーカーが組んで始まった、話題のNHK大河ドラマ『真田丸』。初回(1月10日放送)視聴率19.9%の好スタートを切り、翌週の第2話では20.1%をたたき出すなど、大河ドラマとして久しぶりの大ヒットとなる予感もあった。ところが、第5話(19.0%)以降、その勢いは徐々に失速。第11話ではついに15.6%まで数字が落ちた。

 

そして、ドラマ序盤の最大の見せ場である第一次上田合戦を描いた第13話でも、スタート時の勢いを取り戻すことはできずにいる(17.5%)。渡邊さんは、戦国時代を描くドラマとしての“緊張感のなさ”を指摘する。

 

「史実かどうか以前の問題として、“さすがにそれはありえないでしょう”と、ツッコミを入れたくなるような演出が確かに多い印象です。それによって、生きるか死ぬかの戦国時代の緊張感が、視聴者に伝わってこない。重厚感、ドキドキ感がない。それが原因ではないでしょうか」

 

そこで渡邊さんが、思わずツッコミを入れてしまったという、ドラマ序盤のありえないシーンを挙げてもらった!

 

■敵の大軍がたった2人を捕まえられない!?(第1話)

「ドラマの冒頭で、信繁と三十郎(迫田孝也)が徳川勢のいる陣に偵察に行って見つかるのですが、それでも何とか逃げ切りました。敵の大軍がたった2人を捕まえられないなんて、普通では考えられないこと。これからどんな物語になるのか、いきなり初回から不安になりましたね」(渡邊さん・以下同)

 

■町娘が、なんと立ち飲み屋でワイン!?(第4話)

「安土城下の飲み屋で女性が2人、チーズか何かをつまみにワインを飲んでいました(笑)。あれはふざけすぎですね。史実を語る以前に、完全にコメディです」

 

■きりが信繁のことを「源次郎さん、案外打たれ弱いところあるし」……!?(第11話)

「信繁と結婚する梅(黒木華)にきりが言ったセリフですが、“打たれ弱い”はボクシングから派生した言葉。いくらなんでも戦国時代にはそぐわないので驚きました」

 

■上杉景勝(遠藤憲一)と信繁がまるで友達!?(第12話)

「大名の当主と一国衆の次男坊が同じ目線で話をして、心を通じ合わせるなんて、さすがに話を盛りすぎています。しかも信繁は上杉家の人質ですからね」

 

渡邊さんは、『真田丸』についてこう語る。

 

「おそらく脚本の三谷さんは、既存の時代劇のイメージを壊して、新しい時代劇像を描こうとしているのだと思います。とはいえ、コメディの要素を取り入れた現代風のホームドラマ、ドタバタ喜劇を見せられているという人も中にはいます。戦国時代が舞台の大河ドラマなのに、どんどん朝ドラに近づいていっているような……」(渡邊さん)

 

大坂編からの三谷マジックに期待したい!

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