いよいよ夏に向かい、外出先でドリンクを買う機会も増えていく。そんなとき、コンビニに入り、ドリンク売り場で目に飛び込んでくるのが糖質ゼロ、無糖、シュガーレス、抵糖、微糖、甘さ控えめといったさまざまな表示。「低糖」と「糖分控えめ」、どちらに糖類がたくさん入っているかわかりますか?実はこの2つ、基準は同じなんです!それにしても、何でこんなに表示が多いのか?
「たしかに、一般的な消費者にとっては、わかりづらいですよね。甘さの表示には『栄養表示基準』という定めがあり、消費者が誤解しないような説明を義務づけられています。逆に言えば、それに抵触さえしていなければ、表現は比較的自由なんです。各メーカーが工夫を続けた結果、こんなにたくさんの表現が生まれたのでしょう」
そう話すのは、管理栄養士で横浜創英短期大学名誉教授の則岡孝子さん。この数年の低糖質ダイエットブームのせいか、「糖類ゼロ」を売りにしている食品や飲料も多い。
「糖類ゼロは食品100グラム(飲料なら100ミリリットル)あたり、糖類が0.5グラム未満であれば、表示することができます。実は無糖、シュガーレス、ノンシュガー、シュガーフリー、これらすべて同じ基準なんです」
……知りませんでした。そんな、意外に知らない「甘さ表示」一覧を紹介。
【糖質ゼロ】
食品100グラム(飲料100ミリリットル)あたり(以下同)、単糖類(ブドウ糖、果糖など)や二糖類(砂糖、麦芽糖、乳糖など)、オリゴ糖、多糖類などの糖質が0.5グラム未満であれば含有してもよい。
【糖類ゼロ】
単糖類(ブドウ糖、果糖など)、二糖類(砂糖、麦芽糖、乳糖など)の糖類が0.5グラム未満であれば含有してもよい。砂糖やブドウ糖はわずかしか入っていないが、それ以外の糖質や甘味料が使用されていることも。
【無糖】【シュガーレス】【ノンシュガー】【シュガーフリー】
糖類含有量が0.5グラム未満。糖類ゼロと同じ。
【低糖】
食品100グラムあたり糖類含有量が5グラム未満、飲料100ミリリットルあたり糖類含有量が2.5グラム未満。
【微糖】
飲料100ミリリットルあたり糖類含有量が2.5グラム未満。
【糖分控えめ】
食品100グラムあたり糖類含有量が5グラム未満、飲料100ミリリットルあたり糖類含有量が2.5グラム未満。
【砂糖不使用】
製造工程で砂糖を使用していないという意味。しかし、原材料に砂糖が含まれていることもあり、「無糖」「シュガーレス」とは異なる。
【砂糖無添加】
製造工程で砂糖を使用していないという意味。しかし、原材料に砂糖が含まれていたり、ブドウ糖や果糖が添加されていることも。
【甘さ控えめ】
基準があるわけではなく、各メーカーによって内容が異なる。
6月に入ったばかりだというのに、すでに猛暑日も記録している今年。ドリンクを買う際の注意点について、則岡教授はこう語る。
「成分表示を気にすることはとても大切です。ただそれは100ミリリットルあたりのものですから、商品の内容量によっては、表示の2倍、3倍の糖類や糖質を摂取することになります。成分と同時に内容量も確認して、計算する習慣をつけると、糖分の取りすぎを防ぐことができます。購入したときに携帯電話などで撮影し、記録しておくだけでも、かなり意識が変わってきますよ」