5月16日に総務省が発表した、’13年の「家計調査」。それによると、2人以上世帯の、’13年の平均貯金額は1739万円に上るという。「そんなに貯めているの!?」と、この結果に誰もが驚くはず。そこで本誌は、読者世代の女性300人を対象にアンケートを実施した。

 

もっとも多かった貯金額は100万円〜500万円。全体の約4割に当たる。平均の貯金額は599万8567円という結果だった。総務省の調査の3分の1強と、ずいぶん結果に差がある気が……。経済アナリストの森永卓郎さんにその理由を聞いた。

 

「総務省の『家計調査』は、緻密でたいへんな回答が要求されます。たとえば買ったものを回答するのに『りんご◯個』ではなく『りんご◯グラム』としなければいけない。結局、時間にもオカネにも余裕がある世帯は回答しますが、共働きで忙しい世帯は協力できないですよね。そのため、結果にバイアス(偏向)がかかっているんです」

 

ごく一部の、とんでもない貯金を持っている人が、金額を引き上げているということだ。さらに森永さんは続ける。

 

「調査に協力した人たちを、貯金額の低い世帯から順に並べると、ちょうど真ん中にあたる『中央値』は1023万円。平均より大きく下がります。さらにここには長年働いて貯金に励み、リタイアした世代が半分含まれています。サラリーマン世帯の平均貯金額は1244万円で、その中央値は735万円。それだと、みなさんの実感にかなり近くなるのでは」

 

また、総務省の調査では、前年に比べ1世帯の平均貯金額は81万円、増えたことになっている。しかし、そこにも“裏”がある、と森永さんは指摘する。

 

「どんどん社会保障を下げられていく中で、おカネが余った、余裕がある、と貯金するのではなく、将来が不安だから貯金している、といったほうが正確だと思います」

 

消費増税と物価の上昇で、近い将来、実質の所得は大きくマイナスになることが予想される。それを踏まえ、森永さんは予測する。

 

「来年は、こんなに貯金を増やせないのでは」

 

自分に合った貯金法を見つけて、将来に備えなければ!

関連カテゴリー:
関連タグ: