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「日本郵政グループが、11月4日に初めて株式を上場します。’87年のNTT以来、約20年ぶりの大型上場といわれ、株式公開時としては異例のテレビCMも流れています。興味のある方も多いでしょう」

 

そう語るのは、経済ジャーナリストの荻原博子さん。日本郵政グループには、(1)郵便貯金などの金融業務を行うゆうちょ銀行、(2)おもに生命保険を扱うかんぽ生命保険、(3)郵便局の窓口を持ち郵便業務を行う日本郵便の3社と、これらの持ち株会社である日本郵政がある。今回、株式が売り出されるのは、(3)の日本郵便を除く3社だ。

 

「ゆうちょ銀行の預金残高は約177兆円(’15年3月期)と、民間金融機関のトップである三菱東京UFJ銀行を上回ります。また、かんぽ生命の保険料収入も、日本生命や第一生命と肩を並べる規模です。これだけの大企業が上場し、投資家から3社合わせて約1兆円を集めることになるのですから、注目されるのは当然でしょう」

 

初回売出し価格は、ゆうちょ銀行が1,450円、かんぽ生命が2,200円。日本郵政は26日に決まるが、1,400円といわれている(23日現在。いずれも1株当たり)。同業他社と比べると配当利回りが約4%と高め設定もあり、長期保有や株価の上昇に期待する人も多いのでは。しかし、郵政株には3つ懸念材料が考えられると荻原さんは言う。その3つを荻原さんが解説してくれた。

 

【1】事業の拡大がむずかしいこと

「たとえば、先日来、郵便貯金の預入れ限度を、現状の1千万円から3千万円に引き上げることが検討されています。ゆうちょ銀行には業務拡大のチャンスですが、国営で安心感のあるゆうちょ銀行へ、預貯金が流れる心配のある民間の金融機関は大反対。民間の業者が不利な競争を強いられる『民間圧迫』だと抗議した結果、結論は持ち越されました。ゆうちょ銀行で住宅ローンを扱うことも、同様の理由で実現できていません。

 

【2】採算性がいいとはいえない日本郵便をグループに抱えていること

「郵便事業は国民の財産。支えるべきとは思いますが、業務的には厳しいでしょう」

 

【3】預けたお金の使われ方

「ゆうちょ銀行やかんぽ生命に預けたお金が、国の思惑で、日本株の買い支えなどに使われないかという不安です。株価がもし暴落したら、私たちの預けたお金が目減りするリスクがあります」

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