image

 

いま、お菓子や缶詰、飲料などの身近な食品の多くが値段が変わらないままサイズが小さくなっている。野菜などの高騰で食材の値段が上がっている昨今、さらにサイズダウンが進むと、これまでの献立を維持することが難しくなってしまう。縮小の実態とその背景を探ってみた。

 

人気の牛乳「明治おいしい牛乳」は、2年前にパッケージを変更してから容器の横幅が約5mm小さくなり、容器は100ml減って900mlに。同じく明治のブルガリアヨーグルトも、’07年には500gだったのが、いつのまにか100g減。いったいなぜなのだろうか――。

 

「最後までムダなくおいしく飲んだり、食べたりできる内容量を考えてのことです。牛乳の新容器は注ぎやすく、開封まで空気と触れにくい満量充填ができ、牛乳の香りを閉じ込められます。容量変更は、利便性やおいしさといった、新しい価値を提供するためなんです」(明治広報担当者)

 

企業努力の結果、中身が減ったのだという。

 

赤い格子縞デザインでおなじみのミートソース缶(キユーピー)も、3年前と比べるとひとまわり小さくなっている。これも担当者によるとマイナスの要因があったからではなく、ライフスタイルの変化に合わせたということだ。

 

サラダに合うと人気のサラダチキンも小さくなっている。ファミリーマートの「国産鶏サラダチキン」は、’15年8月に価格は据え置いたまま120gから110gにサイズダウン。広報によると「ほかの新フレーバー商品の発売に合わせ、サイズと大きさを合わせたためです」との答えが返ってきた。

 

これまでは10%から約20%の縮小だったが、よりサイズダウンしていたのが、板チョコレート。いつも変わらないと思っていたロングセラー商品「ガーナ ミルク チョコレート」が、およそ10年間で3分の2になっていた。その理由についてロッテの広報はこう語る。

 

「カカオ豆が高騰していて……。コスト上昇分を吸収すべく頑張って対策していますが、自助努力の限界を超えています」

 

メーカーの企業努力ではどうにもならない苦しさが伝わってくる。

 

大手総合家庭用品メーカーで長年商品開発に携わっていた、プロダクトリサーチャーの四方宏明さんはこう語る。

 

「ストレートに値上げをすると、拒否反応がある。人間の脳は、価格に敏感ですが量には鈍感なんです。いつもの価格が100円から110円になると意識しますが、容量10%程度の変化は気づきにくい。苦肉の策という側面もありますが、企業側は、使いやすさ、高級感、ブランド力向上など、サイズダウンに付加価値を付けているんです」