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「大阪に関しては、検挙率が低いことが組織の中で常態化していて、当たり前に感じられていることが問題です。大阪以外にも検挙率の下位に、東京や埼玉、千葉、愛知などの大都市圏がくるのは、やはり犯罪件数が圧倒的に多いためです」

 

こう話すのは、警察に詳しいジャーナリストの寺澤有さん。平成30年版の『警察白書』が発表された。そこには都道府県別の事件検挙率なども掲載。事件検挙率は捜査対象となっている事件の数(認知件数)のうち、検挙された件数の割合を算出している。最新版の「事件検挙率」のランキングは次のとおりだ。

 

■「事件検挙率」ベスト10

 

【1位】秋田県:78.41%
【2位】山形県:75.69%
【3位】長崎県:68.50%
【4位】鳥取県:64.63%
【5位】島根県:62.63%
【6位】佐賀県:58.34%
【7位】大分県:57.63%
【8位】奈良県:55.95%
【9位】沖縄県:54.97%
【10位】福井県:54.59%

 

■「事件検挙率」ワースト10

 

【1位】大阪府:21.77%
【2位】埼玉県:28.04%
【3位】東京都:30.04%
【4位】千葉県:30.09%
【5位】岐阜県:31.03%
【6位】愛知県:31.46%
【7位】茨城県:32.51%
【8位】福島県:33.09%
【9位】京都府:33.10%
【10位】兵庫県:33.40%

 

※平成30年版警察白書より。小数点第3位以下は切り捨て。

 

寺澤さんと元刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平さんに、数値の裏を読み解いてもらった。

 

「認知件数は、万引や自転車泥棒などの軽犯罪も含まれます。時間も人員も負担の大きい重大犯罪が少なく、手厚いパトロールで軽犯罪の捜査にも力を入れられると、検挙率が上がる傾向があります」

 

検挙率を高めるためには、分母である認知件数を減らす努力、すなわち予防することが求められる。

 

「警察には定員があるので、人員の中でできることは限られています。そのため、急激に検挙の数を上げることは難しい。そこで検挙率を上げるには、分母である認知件数を減らす、つまり犯罪抑止することが大事です」

 

だが、中には間違った方向で検挙率が“操作”されることもある。’14年には、大阪府警が検挙率ワーストを脱するために、認知件数を5年間で8万件も計上しなかったことが大きなニュースになった。

 

そんな、大阪府警が管轄する富田林署で8月12日に起きた容疑者の逃走。

 

「強盗や強制性交の疑いで富田林署(大阪府)に逮捕された容疑者が、弁護士との接見後、接見室のアクリル板を壊して署から脱走。大阪府警は大失態を演じました。さらに問題なのは、地域から『警察官だらけだ』と声が聞こえるほど必死に行方を捜しているのに、1カ月近くも見つからないままであること。もともと大阪は検挙率が日本一低いうえ、今回の失態も重なり、住民は不安にさいなまれています」(全国紙記者。捜査状況は、9月7日現在)

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