荻原博子さん伝授「いっそ『雇用延長』はおやめなさい」

人生100年時代、60歳を過ぎても明るく生きていくためには知識が必要。そこで、定年前後のじょうずな働き方を経済ジャーナリストの荻原博子さんが教えてくれた――。

 

【「雇用延長」はおやめなさい!】

 

定年前後の会社員は、給料の減額をたびたび経験します。

 

まず、50代の会社員が直面するのが「役職定年」です。役職定年とは、特定の年齢になると役職から外れること。働き方も収入も、大きく変わります。

 

たとえばAさんは部長で、役職手当が15万円ありました。役職定年で部長職から外れると、15万円の手当はゼロに。給料は55万円から40万円に減って、家計は大打撃を受けます(すべて月額・以下同)。

 

しかも、給料の減額は、老後資金にも影響を及ぼします。老齢厚生年金は、現役時代の給料の平均額を基に算出されるので、将来もらえる年金額が減るのです。さらには退職金も、予想より少なくなる可能性があります。

 

その後、60歳で定年を迎えたAさんは、雇用を延長して働くことにしました。すると、また給料が下がります。雇用延長では定年前の50~70%になる方が多く、なかには30%になるケースも。Aさんの給料は20万円に半減しました。

 

でも、給料の減額分を補うために「高年齢雇用継続給付」があると聞き、Aさんは安心しました。定年後の給料が以前の75%以下になったら、定年後の給料の最大15%が支給される制度です。

 

Aさんの給料は50%になりましたから、定年後の給料20万円の15%、3万円が高年齢雇用継続給付金として支給されました。60歳からの収入は23万円です。

 

元々部長だったAさんは、55万円の給料が、役職定年で40万円になり、定年後は23万円。お金はもちろん、役職から外れ、自分より若い上司の下で働く精神的ダメージも大きいでしょう。

 

それなら、転職や起業も考えてみてはいかがでしょう。最近は「早期希望退職制度」や「選択定年制度」がある企業も増えています。これらを利用すると、退職金の上乗せや失業手当が有利になることもあります。

 

“人生100年時代”は、二毛作を目指しましょう。私は、これからの人生を豊かにするための裏ワザをまとめた『役所では教えてくれない定年前後のお金の裏ワザ』(SB新書)を書きました。ぜひ、参考にしてください。