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4月12日に開かれた東京大学・入学式での上野千鶴子氏(70)の祝辞が話題を呼んでいる。上野氏は日本を代表するフェミニストの1人であり、「女性学」や「ジェンダー研究」の第一人者だ。

 

上野氏は祝辞の冒頭で、昨年発覚した東京医科大の医学部入試での女子差別に言及。“息子は大学まで、娘は短大まで”という親たちの考えにもふれ、「社会に出れば、もっとあからさまな性差別が横行しています」と指摘した。

 

さらに「がんばってもそれが公正に報われない社会があなたたちを待っています」と話した上野氏。「がんばったら報われるとあなたがたが思えることそのものが、あなたがたの努力の成果ではなく、環境のおかげだったこと忘れないようにしてください」として、こう呼びかけた。

 

「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください」

 

上野氏は「ようこそ、東京大学へ」と結んだ。

 

努力が報われたことで得たものを、他者に還すよう新入生に語りかけた上野氏。Twitterでは「上野千鶴子」がトレンド入りするほどの反響を呼び、賛同する声が上がっている。

 

《「努力が許された今までの環境は当たり前に得られるものでなく1つの特権だ」という示唆は新入生にとって意義深いと思う》
《上位の大学に限らず入るには周囲の環境によるものがとても大きい。それを知らない人が多すぎる。そして大学では知る事自体ではなく考えられてその先に行く力をつける場だと思う》
《大学新入生が何をどういった方向で学んで考えればよいのかよくわかる。もちろん東大以外の大学新入生にも役に立つ》

 

自らの足元を見つめ直すのも、いいかもしれない。

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