なぜ愛子さまは天皇になれない?専門家が語る男尊女卑の歴史
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報道各社が昨年行った世論調査では、約8割が女性天皇の容認に賛成。しかし、政府は皇位継承策の議論を何度も先送りし、皇室典範の改正に着手しようとしていない。

 

現在の皇室典範で女性天皇は認められていないのか? 本当の「伝統」とは何なのか? 皇室に関する近現代史を専門とする歴史学者・小田部雄次さん(静岡福祉大学名誉教授)に解説してもらった。

 

【Q】なぜ現在、女性は天皇になれないのですか?

 

江戸時代まで、女性の即位も禁じられていませんでした。しかし、明治時代に制定された皇室典範で、天皇に即位できるのは「男系男子」に限られてしまいました。

 

男尊女卑の意識が強かった明治初期の政治家たちの後押しによって、こうした原則が成文化されたのです。

 

【Q】なぜ、皇族減少の危機に陥ってしまったのでしょうか?

 

現在、皇位継承権がある男性皇族は、秋篠宮皇嗣殿下、悠仁親王、常陸宮殿下の3人だけです。戦後に憲法や皇室典範が改正されたときにも、「男系男子」については改正されず、「男系女子」さえも天皇になれないままになってしまいました。

 

以前は皇室に「男系男子」の皇族が数多くいました。それは、側室が認められていたことも大きな要因です。大正天皇を産んだのも、明治天皇の正妻である昭憲皇太后ではなく、側室の女性でした。

 

男系による皇位継承は歴史的に続いてきましたが、それは側室の存在が許されるような社会であったからこそ可能だったのです。

 

【Q】「男系男子」より重要な天皇の条件はあると思われますか?

 

生まれながらの皇族であることが、尊重されるべき伝統でしょう。天皇の子として生まれ、生まれたときから皇室で育ってきたということがもっとも大切なことです。

 

戦後まもなく皇室を離れた「旧皇族」の子孫には、男系の男子もいます。しかし、何百年も前まで男系の血筋を遡らなければ天皇にたどり着かないのです。生まれたときに皇族ではなく、親も皇族ではなく、何百年も遠い祖先が天皇という「男系男子」に皇位継承権を与えたことは、歴史上ありません。

 

そうした男子より、天皇の長女として天皇のそばで育った皇族女子のほうが、将来の天皇としての資格があると私は考えています。

 

男系女子の「女性天皇」だけではなく、その子の「女系男子」や「女系女子」も、生まれながらの皇族となるので、女系天皇として皇位継承権を認めていいと思います。

 

「女性自身」2020年2月11日号 掲載

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