新型コロナウイルスの止まらぬ感染拡大を受け、4月7日にはついに日本でも緊急事態宣言が発令された。そんななかオリンピック出場経験もある元陸上競技選手で、現在はスポーツコメンテーターなども務める為末大氏(41)の発言が物議を呼んでいる。
宣言の効力が発生した初日である8日の午前8時、為末氏はTwitterで『日本経済新聞』が報じた“8日朝のJR山手線の乗客者数が35%減に留まった”ことを受けてこうつぶやいた。
《出勤しちゃうんだ》
今回の緊急事態宣言には、出勤停止を命じるといった強制力はない。また8日には対象地域となった7都府県での企業への休業要請について、西村康稔経済再生担当相(57)が2週間程度見送るように各知事へ要請していたと各メディアで報じられている。
被雇用者の出勤については“企業まかせ”となっており、被雇用者の判断で決めることができない状況にある。そんななかで《出勤しちゃうんだ》と出勤した人々への“苦言”とも取れる発言をした為末氏に、SNS上では疑問の声が上がっていた。
《為末大氏の通勤状況に対する「出勤しちゃうんだ」の一言に傷ついた人多いだろうな。この時期好んで電車乗っているとでも思っているんだろうか。この中には医療関係者も居るだろうし、市民の生活支える為に働くスーパーマーケット勤務の人だって居る。今朝電車に乗った私も含め、私たちは犯罪者か?》
《為末大さんデリカシー無さすぎでしょ…》
“在宅勤務できない人はまだたくさんいる”という指摘を受け、数分後には《どうしたらいいんでしょうね、。やっぱり個人では限界があるんですかね》と投稿。そして、20分後にこう締めくくった。
《もしこれでおさまらなかったら一段上の強制力がある措置を行わないといけないということになるのだろうか。そうなると憲法改正とか必要なのかな》
奇しくも7日の衆院議員運営委員会で安倍晋三首相(65)は憲法改正による緊急事態条項の導入について国会での議論を促している。同委員会で安倍首相は「緊急時に国家や国民がどのような役割を果たし、国難を乗り越えるか。憲法にどう位置付けるかは極めて重く大切な課題だ」と語っていた。
ちなみに自民党がまとめた憲法改正案の緊急事態条項については、“事後承認が可能など発動要件が曖昧”“歯止めなく内閣に絶大な権限が与えられる”といった問題点が法学者たちから指摘されている。さらに宣言発令中、国民の基本的人権は現行憲法の“保障”から“最大限の尊重”に留まることとなっている。