感染者に限らず、コロナ禍以前から認知症だった人の症状が悪化している現象も見られるという。

 

「新型コロナウイルスの流行によって外出が減り、身体的、社会的活動が大きく制限されているのが実情です。そのため認知機能や生活機能が低下し、妄想や暴言・暴力などの認知症の症状が悪化する恐れがあるんです」(前出・医療ジャーナリスト)

 

実際、前出・内野院長の病院には、外出自粛やデイサービスに行かなくなったことで「症状が悪くなった」と駆け込んでくる認知症患者が一気に増えたという。

 

「介護施設でも、家族の面会が禁止されてしまうなどして、認知症の悪化がエスカレートしています。さらに、コロナに感染した場合、それまで認知症ではなかった人も脳炎などによって認知症を発症することはありえます。認知症自体は、病気ではなく認知機能が落ちた状態のことをいいますが、脳炎によって認知症が重くなることも十分ありえます。

 

また、コロナに感染した場合の隔離生活や、感染していなくても長引く自粛生活によって、人に会わないなどの生活が続く場合、これまで認知症を発症していなかった人が、それを機に発症してしまう可能性もあるんです」

 

コロナによる脳炎で認知症になってしまうケースもあれば、長期間の“巣ごもり”で認知症を発症、または悪化させてしまうケースもあるというのだ。

 

現在、すでに認知症の症状が出ている人はさらに困難な状況に置かれていると内野院長は危惧する。

 

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