前出の左門氏も「感染拡大を防ぐのは難しい」という。

 

「MERSやSARSが流行したときは、発症したらすぐに重い症状が現れていました。そのため見つけやすく、隔離措置も取りやすかった。結果、早い段階で収束させることに成功しました。いっぽう、新型コロナウイルスは診断がつくまでに時間がかかります。また発症前の時点ですでに感染させる力があります。そのため、封じ込めるのが難しいのです。

 

新規感染者ゼロというのは、実際に感染した人がいないという状態ではありません。“実は感染しているけど症状がない人”が多数いて、彼らがキャリアとなって感染を広げていく。これが、まさに北九州市で起きたことです」

 

ではいったい、どうすればいいのだろうか。國井氏は、今後についてこう語る。

 

「前提として、経済を回すことと公衆衛生対策のバランスは重要です。ハイリスクの行動は禁止して、ローリスクのものについてはすべてを制限しない。そんな柔軟性ある対応が必要だと思います。

 

そのうえで、重症化する人については“いかに早いタイミングで加療できるか”が重要です。各国の失敗例や成功例を踏まえ、今のうちから第2波への準備を整えておくべきでしょう」

 

新型コロナウイルスとの闘いは、次のステージへと入っている――。

 

「女性自身」2020年6月23・30日合併号 掲載

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