「北新地社交飲料協会」の広報担当者は、感染防止対策についてこう続ける。
「まず前提として、北新地ではほとんどのお店が休業要請にきちんと従ってきました。6月1日に解除される日まで、店を閉めていましたからね。また要請が解除されてからも、徹底した感染防止対策を取っています。
大阪府は接待を伴う飲食店向けに対して『テーブルの間を透明なパーティションで区切るか、距離を最低1メートル空けること』『横並びで座れるよう席の配置を工夫し、横並びが難しい場合は真正面を避けるか、テーブルの上にアクリル板などを設置すること』『接客の際に身体的な接触を避けること』『客どうしのお酌やグラスなどの回し飲みは避けるよう注意喚起すること』『大声の会話が行われないようBGMや効果音などを、最小限に調整すること』などのガイドラインを出しています。
それに対して北新地では府のガイドラインはもちろんのこと、店によっては入室前の体温測定や消毒を徹底するようにしています。ホステスさんがフェイスシールドをして接客する店もあると聞きました」
新型コロナウイルスは、北新地の高級クラブを激変させてしまったようだ。さらに「ここまでやるのか」と驚くほどの店もあるという。
「複数の大型店を経営する大手さんでは『テーブル間隔を1mあける』という府のガイドラインの5倍厳しい基準を守っているそうです。テーブルを店の四隅と真ん中の5つに限定することで、間隔を5mあけていると聞きました。
テーブルが5つしかないので、同時に入店できるお客さんは5組限定。さらに“密”をさせるため、お客さんは1テーブルあたりで最大4名まで。しかも滞在時間を1日1セット90分にしており、3セットで閉店です。
90分ごとにお客さんを総入れ替えし、その間の15分で店内をスタッフ総掛かりで完全消毒。さらに換気も普通の換気扇ではなく、工事現場で使うような大型送風機を持ち込んで行っているそうです。
ホステスさんも1つのテーブルについたら、そのお客さんがかえるまで固定。もちろん、テーブルの移動はしません。つまり『どのホステスが』『どの時間帯に』『どのテーブルで』『どのお客さんと接客したのか』が、後からすぐにわかるようになっています。これぐらい徹底してやっているお店もあるんです」