小池百合子東京都知事(67)が7月2日に会見を開き、「“夜の街”要注意」というボードで警鐘を鳴らした。その言動が波紋を呼んでいる。
会見で小池知事は「医療提供体制は十分確保されているものの、今後、高齢者層など急速に感染者数が増加する可能性も否定できない」と語った。そして夜の繁華街で感染が増えているとし、「ガイドラインを順守している店を除き、新宿、池袋などの夜の街、夜の繁華街への外出を控えてほしい」と述べた。
これまでも小池知事は夜の街への警告を発してきた。3月30日の会見で夜間・早朝のバーや接客を伴う飲食店などについて「こうした場への出入りを控えていただくようにお願いしたい」といい、以降の会見でも「夜の街関係者らの感染が目立っている」とたびたび言及している。
事あるごとに夜の街を槍玉に挙げる小池知事だが、昼の街に問題はないのだろうか? 例えば先月29日、NHKは「6月22日から28日までの1週間で、東京都の感染者のうちおよそ40%が夜の繁華街関係者だった」と報道しているが、当時「6割は昼の街では?」と疑問視する声が上がっていた。
今回の「“夜の街”要注意」にネットでは《夜の街要注意ってひでぇな。夜の街に行くのは昼働いてる人だろうが》《昼の仕事を終えて、帰りに寄った夜の街の店で「お疲れ様」と迎えてくれる人がいるから世の中が回ってるんじゃね?》《ウィルスに夜も昼も関係ない》と夜の街を擁護する声が上がっている。
さらに都知事の言動は「夜の街へのスティグマ(差別や偏見に伴う負のイメージ)を助長するのでは」とし、異を唱える声も上がっている。
《夜の街、新宿、池袋等の言葉はスティグマ/烙印作り。行政としては決してこの様な烙印を刻んではいけない》
《夜の街クラスターってスティグマのWikipediaに載りそうなレベルだな》
《本質から目を逸らすだけのスティグマなんて百害あって一利なし》
また夜の街を構成する性風俗事業者の中には、持続化給付金の対象外となっている人たちもいる。そのため、こんな声も上がっている。
《持続化給付金対象外の「夜の街」で働く方々を槍玉にあげて、まるでそこだけが問題であるかのように言い続けるのって本当に何なの?》
《彼らが働かなきゃならないのは休んでたら生きていけないから、休業補償がないからなんですからね?》
《どうでもいいボード作らなくていいから、その夜の街で働いてる人達に休業補償と給付金をさ…休めるようにさ…》
3日にも会見を開いた小池知事。「全てのお店で、夜の街危ないと言っているわけではございません」といい、ガイドラインを遵守していない店を利用する際には「注意をお願いしたい」などと話した。