今年6月、那覇地裁は通常国会の開催時期が近いなどの特段の事情がない限り、内閣は“合理的期間内”に臨時国会を召集する法的義務があるという判断を示した。これは前出の2017年、野党が要求してから98日にわたって安倍政権が召集を引き延ばしたことが違法であると、召集要求に参加した沖縄県選出の野党議員ら4名が訴えた裁判の判決に盛り込まれたものだ。

 

国会議員に対する賠償責任は認められないなどとして、訴え自体は棄却され、違憲かどうかの判断も保留されたものの、判決文は、召集が法的義務である以上は<召集時期に関する(内閣の)裁量も必ずしも大きいものとは考えられない>としたうえで、不当に遅延した場合を含み召集義務を履行しないことは<少数派の国会議員の意見を国会に反映されるという(憲法の)趣旨が没却されるおそれがある><違憲と評価される余地はある>と、内閣の都合による召集の“引き延ばし”を戒めるような内容だった。

 

8月13日には憲法学者らが東京・永田町で会見。「憲法改正手続きを経ずに、53条後段の削除と同じ効果が生まれている」(石川健治東大教授)などと、政府を厳しく批判している。

 

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