その抑止力として期待されるのが総力をあげて開発が進められているワクチンだ。政府は28日、来年前半までに国民全員に提供できる量のワクチンを確保すると発表したが、過信は禁物だ。奥野先生は言う。

 

「現状、ウイルス感染症で実用されているのはインフルエンザワクチンだけで、それ以外はうまく進んでいないのが実情です。コロナのワクチンにも期待したいですが、本来なら長い時間をかけて開発するもの。完璧に抑えることはできないでしょう」

 

一度感染してもまったく安心できず、終わりの見えないコロナとの闘い。左門先生は対策として、飛沫感染ばかりでなく、徹底した接触感染への意識が必要だと説く。

 

「感染経路不明者が5割ほどいますが、実際は接触感染の可能性があります。しかし、これらは限りなく自衛できます。スーパーのかごなどには直接手で触れないこと。また消毒液を携帯し、外出先で何か触ったらそのつど、消毒することを徹底すればいいのです」

 

そして、何よりも大切なのは“日常生活での意識”だという。

 

「一度感染したら2~3カ月は再感染する危険性は低いと思いますが、それ以降は油断してはいけません。“2度はかからない”と妄信して、居酒屋を飲み歩いたりしている人は注意が必要です。

 

むしろ、発症してから3カ月以降は、未感染の人と感染する確率は変わらないので、その油断の分だけ感染リスクは高いかもしれません」

 

“一度かかっているから自分は大丈夫”。こうした根拠のない気の緩みが取り返しのつかない事態を招くと意識して、今後も慎重な行動を心がけることが第3波を防ぐ唯一の方法なのかもしれない。

 

「女性自身」2020年9月15日号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー: