冒頭の吉田病院では、当初6階だけだった感染は数日の間に1〜7階の全階に広がった。

 

前出・清水教授は続ける。

 

「冬場は乾燥によってウイルスが飛びやすく、寒いため閉鎖空間になりがちです。すると、室内の空気がウイルス汚染され、それを吸ったことで大規模なクラスターが起きている可能性が高いと思います。これからますます寒くなりますし、病院では特に窓を開けることも難しい。燃料費はかかりますが、再循環を絞って外気の比率を上げるなど、“空気感染する”という意識を常に持って、対策すべきです。このままでは感染拡大やクラスター頻発は止まりません」

 

室内が十分、換気されているか確かめる方法はあるのだろうか。

 

「換気に関しては、窓を開けるだけでなく、サーキュレーターなども使い、ゆるく肌に感じる程度に常に空気が動いているかをチェックしてください。ウイルスを含むエアロゾルは、たばこを吸っている人のたばこの煙と思えばわかりやすいです。まず近くに濃く漂い、それから徐々に部屋中に拡散していく。たばこの煙の粒子とウイルス粒子はほぼ同じ大きさです。

 

つまりウイルスの煙が漂うというイメージで、それを吹き払う。狭い閉鎖空間で感染が起きるには30分もあれば十分です。とにかく、換気対策が肝心です。クラスターはコロナ医療にとっては爆弾。発生すれば、一気に医療がパンクしてしまうのです」

 

今冬の病院内はとりわけ、積極的な換気を心がけたいーー。

 

「女性自身」2020年12月29日号 掲載

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