■医療崩壊が進めば日本でもイギリスと同じ数字に…
ただ、実際にこの論文を読んだ元WHO専門委員でハーバード大卒の医学博士・左門新氏は「日本で同じような数字が出るとは考えにくい」と言う。
「日本の死亡率は欧米より低いです。論文では新型コロナの重症化要因として基礎疾患を挙げていますが、基礎疾患を抱えている人は日本より欧米のほうが多いことは一因としてあるでしょう。またイギリスは移民が多く、移民の死亡率が高いことももともと指摘されています。なので日本とは状況が違うのです」
感染症を専門とする「のぞみクリニック」の筋野恵介院長も日本でイギリスと同じ数字が出ることには懐疑的だが、“油断は禁物”と警鐘を鳴らす。
「日本でも東京都で1日2,000人も感染者が出るような状況に再びなり、医療崩壊が進んでいけば、イギリスと同じような数字を追う可能性もあります。また日本でも確認されているイギリスの変異株でリスクが高まる可能性もあるでしょう」
そして、この論文には“恐ろしい続き”が。左門氏は言う。
「論文では、新型コロナに感染して入院したグループ(以下A)と非感染者のグループ(以下B)を比較。その際、適切に比較するために病歴や年齢などの特徴をBの人はAと同等になる人を選出しています。
その結果、追跡期間内(Aは平均140日、Bは平均153日)に再入院したAはBより3.5倍、死亡者は7.7倍多くなっています。この比率に関しては日本でもあまり変わらない可能性があります」
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