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東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(83)は2月4日、自身の発言を撤回するべく会見を開いた。しかし、傲慢な振る舞いを連発。さらに同会見を受けてIOCが「森会長は謝罪した。この問題は終了と考える」とコメントしたため非難が殺到。火に油を注ぐ形となっている。

 

2月3日、森会長はJOCの会合でこう話した。

 

「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」
「女性っていうのは競争意識が強い」
「私どもの組織委員会にも女性は何人いたっけ? 7人くらいか。7人くらいおりますが、みんなわきまえておられて。(中略)我々は非常に役立っております」

 

女性への偏見だけでなく、「わきまえる」「役立つ」といったフレーズもあり、「女性蔑視だ」との指摘が殺到。さらにJOCメンバーは森会長の発言に“笑っていた”とも報じられており、組織全体に厳しい声が相次いでいる。

 

そして4日、会見を開いた森会長は「発言については撤回したい」「おわびを申し上げたい」と口を開いた。ところが記者の質問を遮るシーンや、「オリンピック精神に反する人が会長を続けるのは適任か?」との問いに「さあ?」「あなたはどう思いますか?」と返答。さらに記者が問いを重ねるにつれ、「面白おかしくしたいから聞いてんだろ?」とすごむシーンもあった。

 

森会長の会見に、ネットでは《ビックリするくらいひどい会見だった》《偉そう。質問に対して、失礼な!みたいな感じにすぐ切れるしひどい会見だった》《世界に日本の恥を晒した 謙虚に受け止めるような態度でもない》との声が。一部では“逆ギレ会見”とも揶揄されている。

 

IOC「この問題は終了」発言に疑問の声「五輪憲章って何?」
画像を見る 2月4日、自身の発言を撤回するべく会見を開いた森喜朗会長。

 

そんな会見を受けて、朝日新聞はIOCにメールで取材を行った。同紙によるとIOCの広報担当者は「ジェンダーの平等はIOCの根本原則で、将来を見据えた五輪ムーブメントの長期計画、アジェンダ2020でも重要な柱に据えてきた」とコメント。しかし、こう続けたという。

 

「森会長は発言について謝罪した。これでIOCはこの問題は終了と考えている」

 

“終了”としているが、それでいいのだろうか? そもそも五輪憲章には、こうある。

 

「男女平等の原則を実践するため、 あらゆるレベルと組織において、スポーツにおける女性の地位向上を奨励し支援する」(第1章 2-8)

 

また憲章には「オリンピズムの基本原則」として、性別などを理由にした差別を否定するという旨も書かれている。つまり、五輪とは「性差別をなくす」ことを理念としているのだ。

 

しかし、“逆ギレ”とも非難される会見を受けて「この問題は終了」としたIOC。ネットでは厳しい声が相次ぎ、さらに「五輪憲章とは?」と疑問視する声が相次いでいる。

 

《オリンピック憲章に反してるのに、それでいいんだ。なら、オリンピック憲章も、アジェンダ2020も書き換えたほうがいいんじゃね?》
《IOCの態度にもかなり問題があるんじゃない? オリンピック憲章って知ってる?》
《オリンピック憲章って何だ》

 

これまでも、様々な問題が取り沙汰にされてきた東京五輪。コロナ禍にもかかわらず、「ここで五輪を開催するのしないのって躊躇している問題じゃない(1月19日 二階俊博幹事長)」など、政治家の強弁も目立つ。

 

はたして国民はIOCとJOC、そして政治家の振る舞いをどう見ているだろうか。

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