相次ぐ延期、中止…プロモーターが語る苦悩のイベント裏事情
画像を見る 『あなたたちが一番大変よね』と声をかけてもらったことも

 

■電子チケットの普及が奏功

 

そんななか、電子チケットの普及は“時間稼ぎ”になったという。

 

「購入枚数が1枚や3枚のようにバラバラだと、コンピューターはグループディスタンスの振り分けができないんです。まずお客様に申し込みをしてもらって、『2枚申し込みが何件、3枚申し込みが何件』などと手作業で1席ずつ間隔を空けて割り振っていきます。

 

電子チケットだったら公演の3日前位に席番の通知が届きます。ですが、紙のチケットだと発券と同時に席番も確定してしまう。電子チケットによって席番を公演直前まで変えられたり、追加のご案内を送れたりすることはメリットになっています」

 

感染防止策に努めても、ときには演者やスタッフに陽性者が出ることがある。そうなると、上演期間中でも公演を中断せざるを得ない。

 

「公演当日に現場を運営しながら、翌日の公演中止をお客様に連絡しなくてはなりません。スタッフと手分けして、自分のスマホから直接、お客様にかけることも何度かありました。今はプレイガイドがチケット購入者と連絡をとっていますが、延期や中止が相次ぐなかで、プレイガイドも追いついていなかったんです」

 

イレギュラー続きだったが、それでも乗り切れたのはお客様からの温かい言葉だったという。

 

「突然の連絡にもかかわらず、『もしかして、朝から連絡してくれていました? ありがとう』と労ってくれる人もいました。会場でも『あなたたちが一番大変よね』と声をかけてもらったこともあります。ライブに足を運んでくれるお客様は、とても協力的です。やっぱり自分が好きなものとして来場してくださる訳なので、『開催してほしい』という気持ちが伝わってきます」

 

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