7月23日に開幕した東京五輪。相次ぐ関係者の辞任劇もあり波乱の中の幕開けとなったが、開会式にも新たな問題が浮上している。それは、作曲家・すぎやまこういち氏(90)の制作した楽曲が使用されたためだ。
すぎやま氏の楽曲が使用されたのは、開会式冒頭部でのこと。そこで彼の手がけた『ドラゴンクエスト』のテーマ曲が鳴り響いた。
「すぎやま氏はザ・ピーナッツの『恋のフーガ』やヴィレッジ・シンガーズ『亜麻色の髪の乙女』といった数々の名曲を作曲。それらの楽曲は世代問わず、多くの人たちに知られています。しかし何より有名なのは、『ドラクエ』のテーマソング。『ドラクエ』は日本が世界に誇る大人気ゲームシリーズであり、すぎやま氏は『ゲーム音楽の生みの親』と呼ばれるようになりました」(全国紙記者)
18年に旭日小綬章を受賞し、20年には文化功労者にも選出されているすぎやま氏。実績や功績を考えれば、確かに東京五輪にふさわしい。しかし「五輪は“多様性と調和”を謳っているのに?」と彼の楽曲が使用されたことに対して疑問視する声が相次いでいる。
というのも、すぎやま氏は15年6月に公開されたYouTubeの番組『日いづる国より』で、自民党・杉田水脈議員(54)と共演。彼女が「生産性がない同性愛の人達に皆さんの税金を使って支援をする。どこにそういう大義名分があるんですか」と話すと、すぎやま氏は同意。さらに“同性愛の子どもは、そうでない子どもに比べて自殺率が6倍高い”との話で笑っていたのだ。番組最後には、「男性が言いにくいことを言ってくださると助かります。正論です」と、杉田氏の主張を全面的に肯定さえしていた。
その後、杉田議員は『新潮45』18年8月号で“LGBTは生産性がない”と寄稿し、国内外問わず非難されることに。すぎやま氏は自身の公式サイトに、「LGBTの問題は人類の歴史の最初からあっただろう」「性に対する考え方は十人十色で、他人がとやかくいうことではないだろう」といった趣旨の文章を投稿。続けて「ただ、LGBTである事で理不尽に差別されるのは是正されなければならないと思います。そのために政治や行政の力が必要になる場面もあるかもしれませんね」とつづっている。