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新型コロナウイルスの新規感染者が爆発的に増え続けている東京。当然、医療機関の病床は逼迫。それに伴って、1カ月前には1千人台だった都の自宅療養者数は、8月12日時点で2万人を超えた。

 

東京では、7月下旬以降、自宅療養中の容体急変による死者も相次いでいる。

 

自宅療養中に容体が急変し自ら救急搬送を要請、病院に搬送されたもののその日に亡くなった50代女性の例。軽症で自宅療養を続けていた基礎疾患のない30代男性が一人暮らしの自宅で亡くなっていた例。自宅療養中に倒れているのを同居家族が見つけ、その後死亡が確認された50代男性の例――。

 

「本当に、明日亡くなるんじゃないかという現実があります」

 

8月中旬本誌の取材に応じてくれたのは、東京都大田区で訪問診療を行っている、ひなた在宅クリニック山王の田代和馬院長。田代院長は、自身が診ている患者のなかに、いままさに危篤状態の人がいるという。

 

「その方は80代後半の男性です。ワクチンの1回目を打って、2回目の接種を待っている状態でした。8日前に発症してから、入院場所を調整していたんですが、なかなか見つからないうちに、昨日容体が急変しました。急変を保健所に知らせたら、手を挙げてくれる病院が今日出たのですが……」

 

そう言って、言葉を選びながら田代院長は続ける。

 

「なんというかな……。その方はもう本当に助けられない可能性が高いんです。もともと延命治療を希望されている方ではありませんでしたから、その方が入院して病床を使うよりかは、もう少し治る見込みのある人に回してください、という本人の思いがあって……。ご家族は強く入院を希望しているんですが。おそらく在宅でのおみとりになるんじゃないかと思います」

 

この取材翌日、男性は“あまりに苦しいので入院したい”と意志を変更したというが、入院場所の調整は引き続き「厳しい状況」だという。

 

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