■高齢者と喫煙者は抗体過価が減少しやすい傾向に
「2回目接種後、3カ月経過した抗体価は、20代の抗体価が約1,050ユニットだったのに対し、40代で779ユニット、50代で619ユニット、60歳以上で491ユニットになっています。その要因はわかっていませんが、高齢者ほどかぜや感染症にかかりやすいのと同様に、加齢による免疫機能の低下が関係していると考えられます。同時にこの研究では、『喫煙者』の抗体価の減少が著しいことが判明しました。高齢者や喫煙者は、ワクチンを接種しても抗体価が減少しやすく、感染や重症化のリスクが高くなることがわかりました」
この研究はファイザー製ワクチンを接種したケースでの結果だが、モデルナ製のワクチンでも同様の結果が予想されるという。国内におけるワクチン接種後の抗体価についての研究は少なく、今後のワクチンの評価をするためにも参考になるところが多いようだ。
とりわけ興味深いのが、51〜64歳の病院職員6人の抗体価の推移(国立病院機構 宇都宮病院の発表資料)。
「1回目のワクチン接種から3週間後に50〜245ユニットだった抗体価が、2回目の接種によって、1,160〜2,750ユニットまで急上昇しています。これは最初の接種を終えた後、抗体を作る『B細胞』という細胞が、体内でコロナウイルスに対する抗体の作成方法を覚える作業を行い、次の接種を経て抗体を大量に生産しているためです」
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