工事の発注者は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 画像を見る

散歩に来た保育園児たちが鬼ごっこに興じる。サッカー少年や野球少年はボールを追いかけ、時に大人たちはタッチラグビーを楽しむ。週末となれば、笑い声や歓声で満ちあふれる……。

 

東京の南青山と六本木の間にある都立青山公園(南地区)で日常“だった”風景だ。青山公園の主要部分を占めるのは、一般的なサッカーグラウンドの3分の2ほどの大きさを誇る運動場。都心という場所柄、付近に球技を楽しめる公園はほかになく、近所に住んでいる大人も子供もボール遊びをしたいときは必ずここに集った。幼児や小学生向けのサッカー教室が開かれ、少年野球チームの練習場としても使われて“いた”。

 

だが、これが過去のものになってしまったのは、現在、運動場が東京オリンピック・パラリンピックの仮設駐車場に転用されているためだ。地面には鉄板が敷き詰められ、運動場の四方はフェンスで囲まれ一般人の立ち入りは禁じられている。フェンスには“6月14日から9月30日まではグラウンドを閉鎖するため使用できません”と書かれた貼り紙が。

 

■「車が停まっているのを見たことがない」

 

だが、不思議なのは、仮設駐車場に一台の車も停まっていないことだ。付近に住むサラリーマンはこう語る。

 

「毎日、この前を通って会社に通っているのですが、いつも空っぽ。車が停まっているのを見たことがありません。正確に言えば、過去に数度、公園の隅に1台2台乗用車が停まっているのを見たんですが、次に通ったときにはなくなっていました。週末になれば子供でいっぱいになる場所だったので、何ともさみしいですね」

 

また、子供を青山公園で行われていたサッカー教室に通わせていた保護者はこう語る。

 

「前を通りかかるたびに、何に使ってるんだろうと不思議に思っています。いま、教室は遠くの別の公園で行っているので、子供を連れて電車で40分近くかけて通っていますよ。場所が変わってから見かけなくなった子もいます。ここらへんは共働きの家も多いので、遠くまで通うのは難しいのかもしれません。ちゃんと駐車場として使われていたら、まだ仕方ないと思えるんですけど……」

 

近所の住民は車が停まっているのを見たことがないと口をそろえる。

 

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出典元:

WEB女性自身

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