9月に法改正「医療的ケア児」家族の願いと周囲ができること
画像を見る 医療的ケア児支援法により、明るい未来が

 

【ケース】私が夢見る明日:息子も私も、普通の集団生活が送れること!

 

ママ:細田祐美子さん(35)。埼玉県在住。WEBデザイナー。
次男:澪くん(2歳)。心臓病。
必要な医療的ケア:酸素吸入。

 

澪くんは、妊娠中の胎児診断で心臓病が見つかり、生後すぐ小児医療センターに入院。9カ月で退院したときには、チューブを使っての栄養注入と酸素吸入が必要で、その後も4回の手術を受け、今後も手術が予定されている。

 

祐美子さんはウェブデザインの会社に勤めていたが、2歳違いの兄を産んでから澪くんの出産まで、連続で育児休暇を取得。

 

「仕事復帰したかったので、預け先について相談したかったのですが、障害児とは判定されておらず、どこに問い合わせていいのかもわかりませんでした」

 

市役所に相談すると、保育園に個別に当たってみるしかないとのこと。結局、受け入れてくれる園は見つからず、祐美子さんは会社を辞めざるをえなかった。

 

また細田さん夫婦は、澪くんがたびたび入院したり、手術を受けなければならなかったため、兄を保育園に預けたいと思っていたが、育児休暇中は保育園は利用できないとの理由で、幼稚園に移ることに。それでも手術のため、夫婦で一日病院にいなければならないときに、延長保育をお願いするのも気兼ねするのが現状だ。

 

澪くんは、鼻にチューブはつけているものの、よく笑い、はしゃぎ、遊び、活発そのもの。

 

「近くに重度の心身障害児の施設ができたことを知り、週3回デイケアに通わせてもらえるようになりました。自宅ではできない絵の具や水遊びをさせてもらえるので、ありがたいです」

 

でも、重度の施設のため、一緒に遊べる友達はいない。来年は幼稚園の年少に上がる年齢なので兄と同じ幼稚園に入れたいが、受け入れは難しいようだ。

 

「この子の成長のためにも集団生活を体験させたいです。支援法が施行されて、ほかのお子さんたちと一緒に幼稚園に通えるようになれば、『医ケア児』ってこういう子たちなんだ、という理解が広まるのではと、思うんです」

 

また、支援センターに相談窓口が一本化されることにも期待を寄せる。

 

「今すぐに仕事復帰することにはこだわっていません。子ども優先でべったりの時期があってもいいかなとも思って。ただ、社会とはつながっていたいので、デイケアに行っている間に少しずつ在宅で仕事を始め、幼稚園に入れるようになったら本格的な復帰ができるよう、備えたいです」

 

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